ドイツでは、勤め先を辞めるとその会社の社長さんから、勤務評価のレターを受け取るのが普通です。
そのレターを、ドイツ語で “Zeugnis“ と言います。
よって、求職中の人が求人企業に応募して送るのは、履歴書と、今までに勤めた先から貰った “Zeugnis“になります。
ちなみに、ドイツに慣れていない日系企業が現地でスタッフを募集すると最初に驚くことは、応募してくる人たちの経歴の多さです。
年齢にもよりますが、30代、40代の人で5〜6社は少ない方で、7〜8社以上はザラです。
普通は、その数だけ“Zeugnis“がある(はずな)わけです。
それらの“Zeugnis“には、その人がどんな仕事をどういうふうにしていたか、
同僚との関係はどうだったか、
上司や社長はそれをどう評価したかが書いてあります。
その人に対する社長の思いも込められています。
しかもそれが、いわゆる行間に隠されて表されてもいるのです。
弁護士さんなら知っているその表現方法。
文末の方にほぼ必ずある言い回しで、その人に対してどの位満足だったかの表現。
„vollen Zufriedenheit“ か、
あるいは
„vollsten Zufriedenheit“ か…
„Zufriedenheit“は「満足」で、“voll“は英語 の“full“と同じ意味です。
直訳すれば、「満足で一杯」です。
voll の所に、わずか “st“ が入るかどうか
„vollen„ か、“vollsten“ か…
„vollen„なら普通。
“vollsten“なら最上級のお褒めで、その人に対してとても満足だったことを表します。
同じ voll なのですが…
過去に勤めた会社の“Zeugnis“で、常に 、あるいはしょっちゅう“vollsten“が見つかれば、その人はかなりお勧めの良い人財です。
ドイツで現地採用スタッフを選ぶ際は、この点を是非考慮して下さい。
それらの“Zeugnis“さえを持っていない人は要注意の可能性が高いです。