日本人の芸術性

こんにちでは、3桁までの億円の価値がつくゴッホの作品。

でも、生前に売れた絵はごく限られていたそうで、その価値が理解されるようになったのは、ゴッホが亡くなった後です。

そのゴッホを支えた、画商の弟テオに宛てたゴッホの手紙がいくつも残っていますが、日本の芸術を絶賛しています。

「全ての私の作品は、多かれ少なかれ、浮世絵の影響を受けている」

「日本芸術を研究すると、明らかに賢者であり、哲学者であり、知者である人物に出会う。

その人は何をして時を過ごしているのだろうか。

地球と月の距離を研究しているのか。

違う。

ビルマスクの政策を研究しているのか。

いや、違う。その人はただ一本の草の芽を研究しているのだ。

(中略)

まるで自身が花であるように、自然の中に生きる。

こんなに簡素なこれらの日本人が、我々に教えてくれるものこそ、まずは真の宗教ではないだろうか」

「僕は日本の絵を愛し、その影響を受け、また全ての印象派の画家はともに影響を受けているが、それならどうしても日本へ、つまり日本に当たる南仏へ行かないわけにはゆかぬ」

「日本人が素早く、稲妻のようにデッサンするのは、その神経が我々よりも繊細で感情が純真であるからだ」

出典:「ゴッホの手紙」 上・中・下 岩波文庫

日本では、炎の文様を付けた、火縄土器という芸術的な縄文土器が見つかっていますが、それは世界最古で1万6千年以上も前のものです。

ゴッホは元々暗い色調の絵を書いていましたが、それを変えたのが、パリに出て印象派の画家たちと出会い、パリの万国博覧会で日本の芸術作品に出会ったことだと言われています。

特に安藤広重の「亀戸梅屋舗」、「大はし阿たけの夕立」などを模写して浮世絵を学んで色彩が明るいタッチに変わったそうです。

モネには着物を着せた奥さんと浮世絵の団扇が描かれた絵があり、マネの「ゾラの肖像」には浮世絵の絵そのものが描かれています。

そして、パトリック・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)新聞記者、作家、随筆家、小説家、日本研究家(1850~1904)の言葉…

「東京だけで、虫の商いが年間数千ドルに達するということは容易に理解できようが、それぞれの虫が持ち前の鳴き声に応じて値を付けられると聞くと、きっと首をかしげることだろう。

芸術好きで、とびきり洗練された民族の優美な日常生活の中で、このような虫が西洋文明社会のつぐみや孔雀やナイチンゲールやカナリアに優るとも劣らぬ地位を占めているとは、外国人の容易に理解できるところではない」

出典:「虫の音楽家」 池田雅之編・訳 筑摩書房、「日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか」 黄文雄、徳間書店

アレクサンダー・ヒューブナー  オーストリア外交官…

「この国においては、ヨーロッパのいかなる国よりも芸術の享受・趣味が下層階級にまで行きわたっている。

どんなにつつましい住居の屋根の下でも、それを見出すことができる。

ヨーロッパ人にとっては、芸術は裕福な人々の特権にすぎない。

ところが日本では、芸術は万人のものである」

出典:「オーストリア外交官の明治維新」市川慎一・松本雅弘訳 新人物往来社、「日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか」黄文雄、徳間書店

ラビンドラナート・タゴール、インド最高峰の詩人、思想家

「日本人はたんに芸術の大家であるばかりでなく、人間の生活を芸術作品のように掌握しているのだ。

床の間には花が活けてあり、絵が描かれた掛け軸がかかっている。

このような清楚なたたずまいを見せる日本に対してタゴールが言った言葉です。

タゴールは、ある俳句を引用し、日本人の芸術的感覚の鋭さを指摘しました。引用されたのは、芭蕉の有名な句です

「古池や 蛙飛び込む 水の音」

この詩に対して、「これだけである!」 「これ以上は何も言わない!」 とまず驚きます。

「詩人は手がかりのみを与えるだけで、あとは傍らに身を退いて立つのである。

詩人がこのように早々と身を退くことができるのは、日本の読者が物の姿を見極める想像力にめぐまれているからである」

「爆発的な感情の表現は、私たちの国でも他のどこでもいやというほど見受けられるが、情緒的感覚とその表現を制御することで、美の感覚とその表現を惜しみなく増大させることができるということに、当地に来てから私は思い至った」

「他の国では、有能で鑑賞眼のある人たちの間でのみ、美を味わう能力が見られるが、この国では、全国民のあいだにそれが広がっている」

「アジアにおいては日本だけが、ある日突然、ヨーロッパが世界を制覇したその同じ力をもって、ヨーロッパに逆襲できると考えたのである。

その覚醒がなかったら、日本もまたヨーロッパの車輪の下敷きにされていたであろうし、またひとたび下敷きにされると、二度と再び立ち上がる術はなかったであろう」

出典:「日本賛辞の至言33選」波田野毅、ごま書房

投稿者: netdeduessel

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日本人の芸術性」に2件のコメントがあります

  1. ノイシュタイン城を見た時、内部のこれでもかというゴテゴテと
    派手さに吐き気がした。やはり私は、日本人なんだなあと。
    城も見た目も内もシンプルがベスト。勿論西洋には西洋の美があるのですが
    日本芸術とは少し相いれないものがあるのかも。勿論文化的背景の違いでしょうが。

    1. 江戸時代か幕末の頃に、ある大名か何かの家に招かれた西洋人が、畳だけというそのシンプルさびっくりしたそうです。

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