私の父親は、「この人、ゴルゴ13?」と思えるほど完璧に見える人でした。
そしてとても厳しく、何かあると、常に部屋に用意してある竹刀でひっぱたかれました。
その時の父親の言いぐせは、「俺はお前のおじいちゃんに丸太でぶん殴られたぞ! だからお前は良い方だ!」でした。
今考えてみると、言いぐせをするということは、叩くことに後ろめたい気持ちがあったのかも知れません。
当時は反発して、高校中退、家出、喫茶店勤務や肉体労働のアルバイトをしていました。
それが反面教師になったのか、私が父親となる家族の場合は、家では父親として、会社では長として、どうしても外せない、僅かいくつかの点を除き、かなりの放任主義でした。
自分が人からとやかく言われるのが嫌だったので、人も同じだと思ってとやかく言いませんでした。
ひょっとしたら、単なる億劫、ズボラかもしれません。
でもそうした方が、任されている方は自由に伸び伸びとしていたように思えます。
青天井の方が、誰でも実力を発揮できると思います。
「放任で任せっきりで騙されたらどうするの?」
という人もいるかもしれません。
実際に、何度か騙されて、高い授業料になりました。
それでも私は、大陸式の「人を見たらドロボーと思え」や、「騙される奴が悪い」よりも、日本的な「騙すより騙されろ」の方が好きです。
第一、いつ騙されるか、いつ騙されるか、と、日々疑心暗鬼に暮らす人生が楽しいでしょうか…
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