安倍政権や東京都、各県は日本の中小企業を随分と応援しているようです。
つまり、中小企業が何かをするのに、公の機関がお金を出してくれます。
特に多いのが展示会への出展です。
そういうものを頼ってドイツに出て来た企業を見て私個人が単に感じたこと…
そういう企業にはどうも覇気や緊迫感が感じられません。
ちょっとやってみて、ダメならいいか…
そんな感じがします。
展示会は手段なのに、いつの間にか目的にすれ変わってしまい、展示会が終わると納得してしまうのです。
まるで「観光地に行き、写真を撮れば終わり」みたいな…
言葉が悪いですが、ひどい時にはセコささえも感じられてしまいます。
自分にも身に覚えが?…汗。
外の力を頼るのだから当然かもしれません。
日本もドイツも政府が法人設立のための最低資本金額を極端に引き下げました。
もっと多くの起業家にチャレンジしてもらいたいということです。
簡単に会社をスタート出来るのです。
それでチャレンジしやすくなったのは間違いありません。
でもそれがあまりにも簡単過ぎて、勘違いをする人も多々見受けられるように感じます。
自分で売り上げを上げるということのシビアさが分からずに起業してしまう?
だからこそ20年後の会社存続率は0,3%なのでしょうが… 詳しくはこちら ➡︎ 「現地法人設立及びプロモーションのプロ – 20年後の会社生存率は1000社に対して僅か3社…」
それに比べて、そういうものを頼らない会社にはやはり頼もしさが感じられます。
今までドイツ進出をお手伝いさせていただいた幾つもの会社の中で、そういう点で感心してしまった一社があります。
Bad Milk Company GmbH (以降BMCと略)という会社です。
日本で豚を何千頭も飼う養豚場を経営し、他にもドイツから大型の関係機器を輸入しています。
デュッセルドルフでは現在、日本の会社が子会社を設立すると3千ユーロの支援金が出ます。
たかが3千ユーロ、されど3千ユーロ。
家賃が数回分出る金額です。
NRW州からの補助金です。
BMCの社長さんも、皆さん同様それを受ける予定でした。
ところが、その場合は自宅兼オフィースではダメで、一度デュッセルドルフにあるNRW州の組織に挨拶をしに行かなければならないと知り、いとも簡単に諦めてしまいました。
挨拶に行くと言っても、会社設立の理由や見込みを伝えるだけです。
とても気風(きっぷ)が良いと感じられました。
その後知ったのですが、この社長さんは船、飛行機、そして何とヘリコプターの免許まで持っています。
私がついて行けるのはせいぜい船まで…
しかも最近知ったのですが、ヘリコプターは免許だけではなくて、ヘリコプター自体も持っているのです。
普通なら、ヘリコプターの免許を持っている話が出たら、ヘリコプターを持っている話も出そうなものです。
ところがそれは本人以外から知らされました。
気風が良くて、頼らない、自慢しない、カッコいい社長です。
この意見、最初に書いたようにあくまでも単に私個人がそう感じただけであって、必ずしもどの企業にも当てはまるわけではないので、そういう企業さんは(私を筆頭に…)どうかがっかりしないで下さい。
ヘリコプターまで持っている社長だから3千ユーロの支援金など目にないのか、そういうものを頼らないからヘリコプターまで持てるようになったのか…
全ては物の見方次第です。
その社長さん、起業してほしい。関係ないけれど、私の知人も、北海道でGesund 農場という牧場をもっていて、そこは養豚場で北海道の豚を子豚から出荷まで全て北海道ブランドで行うところです。
北海道からの税金も拠出されています。頑張っていますよ。そこの豚は高めですが美味しいです。
その社長さん、ドイツでも起業したので私と知り合えました。