以前、法人向けドイツ進出相談コーナーで質問が入った時のことです。
ドイツでビジネス経験ゼロの日本人から質問が入りました。
地理的な関係からそれを知人に回しました。
質問が数度あった後、回答者が相手の名前を聞きましたが、それっきりコンタクトがなくなりました。
無料なためか、匿名で気軽に聞いてくるものの、いざ素性を聞かれると消えてしまうというものですが、実際にそういうことが良くあります。
素性を知られずに無料で質問をしてくる...
同業他社でしょうか?
でもそんなことをしているサイトを他に知りません。
恥ずかしいからでしょうか...
それは今の日本の傾向なようでとても心配になります。
特にネット上でのことで、みんながみんな、匿名になってしまいつつあるように感じます。
誹謗中傷の対象になってしまうから...とか、犯罪に利用されてしまうから...とか、理由はいろいろあるようです。
でも問題なのは、悲しいかな、人間には誰にも善悪両面が備わっていて、性善説・性悪説のどちらかだけでは解決しないことです。
誰でも両方が複雑にからみ合っています。
人間なら誰でも匿名であるのをよいことに、不必要なことを書いてしまいます。
かと言って、ネット上で自分の名を名乗れば、それが世界中に見られてしまいます。
匿名であればこそ書けることも書けなくなってしまいます。
ドイツではウェブサイトを作る場合、Impressum というページを作る義務があります。そこにそのウェブサイトの製作者の詳細を明記します。
そうすることによって、いかがわしいサイトや詐欺のサイトを作ることが防げます。
いかがわしいサイトや詐欺のサイトを作る人は、そういうImpressum のページを作れないからです。
ドイツは意外と個人の情報が守られている方です。
それゆえに先日のGermanwings の飛行機事故(*)も起きました。
それでもImpressum の義務があり、ドイツ人は普通インターネット上でのコミュニケーションでも、インターネットの投稿ページでも本名を名乗ります。
さすが自己主張の国です。
それが今の日本では、メールアドレスを自由に作れるので、どのメールアドレスが誰なのか分かりません。
よって、悲惨な誹謗中傷も出れば、犯罪も可能です。
実はその昔、日本の銀行では架空の名義で口座を開くことができました。
今では考えられないことです。
それでもネット環境は無法地帯です。メールアドレスも、銀行口座同様にどこの誰なのかがすぐに分かるようにしたらどうでしょうか?
そうすれば誹謗中傷や犯罪が減ると思うのですが...
そこでこれからは私もその都度直接名を名乗ることにしました。
今まではちょっとその先を見れば分かるようにはなっていましたが、これからは直接明記します。
元々私は引っ込み思案で意気地なし。
実際に子どもの頃は赤面症でもありました。
とにかく表に出るのが嫌い。
今の私を知る人は信じませんが…笑。
実はネットdeデュッセルの駄洒落コーナーでは、その投稿のほとんどが私からなのですが、それでは呼び水にならないからと、複数のペンネームを使っていました。
でもそれもやめました。
仲間から指摘されたからです。
「あなたは自称匿名撲滅会会長などと言っているが、自分では匿名を使っているではないか」と。
「えっ? この私が匿名?? まさか???」
「駄洒落コーナーですよ」
「えっ? あっ! タラ~(汗)、本当だ…」
言ってやらない最低の例でした…
何とかあのコーナーを盛り上げようと、ひとり数役で頑張ったのですが、そのことに自分でも気がついていなかった…(← 超いい訳。今は佐藤さん他が頑張ってくれています…)
自分の名前を出すわけにはいかず、質問をするなどのケースを除き、自分から進んで何かの情報を発信する以上、その情報に対して責任を持つためにもやはり名を名乗るべきだとつくづく思いました。
* 助手パイロットがウツ病患者で、医者がその情報を外に出さなかったため、飛行中にチーフパイロットがトイレに行った際に、コックピットで中から鍵をかけてチーフパイロットを入れないようにして飛行機を墜落させた事故。
川崎
私も本を出版した時から、ペンネームを使ってます。
よかったこともあります。
オレオレ詐偽から電話かかって来た時、佐藤ようこさんですか、と言われた時など。
私を実際に知っている人は絶対に、ペンネームで私を呼ばないし。
でも、ダジャレコーナーなどでは、中傷誹謗するものじゃないですよね。
ペンネーム面白いの使うから、また面白いわけですし。
しんどい世の中だなあ。
日本では個人情報の関係で、震災などがあっても名前を
教えなくて、孤独死すらあります。