ヨーロッパ人と交渉するために日本人が知っておきたいこと

世界一安全な国である日本で生まれ育った日本人が海外に行くと、頻繁に盗難の洗礼を受けます。

日本人にしてみると、その早業はもう鮮やかとしか言いようがありません。

どうやってあのシーンで、あのタイミングで盗むことができるのだろうか?

手品としか思えないのです。

そこで海外に出たら日本にいる時とは違い、貴重品を目に見える肌身から離さないことが必要です。

肌身から離さないだけでは不十分です。

視覚と触覚の両方をフル活用させる必要があります。

例えば背中やお尻のポケット。

肌身に付いてはいても、ぶつかったふりなどのちょっとした接触行為で簡単に騙されてしまいます。

そこで視覚によるチェックも欠かせません。

西洋の犯罪組織から見ると、犯罪に対して温室から出てきたようなノホホ~ンとした日本人は絶好のカモです。

しかも日本人の場合は被害に遭う前だけノホホ~ンとしているのではなくて、いざ犯罪が途中で発覚しても騒がない、世界で最もおとなしい国民性というのが狙われてしまう理由です。

ドイツで一番多くの日本人が住む町、ここデュッセルドルフの日本人街でも毎日のように日本人の被害者が出ています。

運が悪ければ時には怪我をする被害者もいます。

世界の中でダントツに安全な国から、その日本の常識で海外に出れば、潜水スーツを着用せずにクラゲがウヨウヨいる海に飛び込んで体中を刺されてしまうようなものです。

ビジネスでも似たようなことが言えます。

謙虚を美徳とする日本人が、利己主義のまかり通る西洋に出てそのままビジネスをすれば、怪我だらけとなるのは必至です。

ドイツでは、小学校から自己主張を叩き込まれます。

どんなに試験の点数が良くても、活発に手を上げて発言しないと良い成績をもらえません。

そこで必要以上に自分を良く見せる技が鍛えられます。

ビジネス以外でも日本人がドイツに住むと気が付くのは、運転マナーなどで現地の人たちの自分勝手が多いことです。

譲り合う国民性の日本とは違って争いごとも多く、その仲裁を行う弁護士の数も多いことです。

日本では、約4.500人に1人の割合で弁護士が存在し、ドイツでは約560人に1人、アメリカは約30人に1人。(詳しくは別編をご覧ください)

つまり、西洋人と日本人とでは、受ける教育からして異なっていて、大人になる頃には大きな違いができています。

西洋人が商談をする場合、当然のことながら自分の得になる「Take」を主張して、「Give」の方は実際には大したことがなくても「あれができる」、「これができる」と大げさなことを言います。

人の採用の面接の時など、相手が日本人の場合なら「何々が少しできます」という場合はかなり期待できますが、ドイツ人の場合は大したことはありません。

西洋では色々なビジネスシーンにて、自己の利をどんどん主張してきて相手のことなどはお構いなしです。

それに対して日本人は、ついつい相手のことを気遣ってしまいます。

日本の首相が外交で「相手が嫌がることはしない」などとなってしまう所以です。

そんなことでは例えば相手が中国だと、尖閣諸島どころか沖縄、そしていずれは九州なども取られてしまいかねません。

販売代理店契約締結交渉において、相手はまず間違いなく最初からエクスクルーシブを要求してきます。

自分のところは業界の中でも力があり、製品を紹介してプロモーションを行うのだから多大なコストがかかるが、相当な効果が得られるというような自己主張は小学生の時から叩き込まれています。

そこで日本人はすぐにそれを信用してエクスクルーシブを与えてしまったりします。

テスト期間を設けたり、他の代理店候補数社と根気良く比べてみるということは、時間がかかるからとか、手間がかかるからとかいう以前に、相手に対して失礼だと思ってしまうのが日本人なのです。

特に弱いのは関西以外の日本人ではないでしょうか?

関西人にはまだ値切り交渉という習慣があるので西洋に来てもある程度は通じるかもしれません。

値切り交渉と言えば、中東などの青空市場では値切るのが当たり前なので、もしそこで日本人が最初の言い値で買ってしまおうとすると、値切り交渉の醍醐味、面白さが無くなってしまって相手は怒るほどです。

結論を言うと、海外経験のない人間が、海外とのかかわりを持たざるを得ない首相や外交官になるのはもってのほかですが、同じようにそういう人が海外営業の職に就くというのは問題です。

海外の事情をきちんとわきまえていないと勝負にならないのです。

川崎

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