ということに関する先日出したブログで興味深いコメントをいただきました。
そこで今回は少し深掘りです。
まずその前に、お恥ずかしいながら、私はコメントでリンクをいただいた次の事実を知りませんでした…:
これまでの長距離界では、トップ選手用のシューズのソールは薄ければ薄いほどよいとされていた。
ところが今大会では、多数の選手が初心者ランナー向けとも見える厚底のシューズを履いていたからだ。
その秘密に迫る…
…ということで、Nikeの新しいランニングシューズのかかと(靴底)はとても厚くて(3,3cm!)しかも軽いそうです。
そして次がそのシューズを実際に履いて走ったトップランナーのコメントです…:
「今までのシューズは“薄くて軽い”が当たり前でしたが、常識を覆しましたね。ソールの薄いシューズだとレース後に疲労感がありますが、このシューズは疲労があまり残らない」
「“バネ感”がスゴくて、インターバル走で脚が攣(つ)るくらい追い込んだのに、翌日の筋肉痛があまりなかったんです。これも、厚底シューズを履いたおかげですかね」
さて、これを聞いてまず最初に何を思うでしょうか?
疑い深い(?笑)私の場合はまず、そのコメントの主と、Nike(?)との関係を考えます。
その意味は、例えば何かの薬などに関する医師のポジティブなコメントの場合、その医師が産業(メーカー)のお抱え医師なのかそうでないのかというような事です。
つまり、そのコメントを発する事によって、何らかの金銭的な利益などが発生しないかどうかです。
(ちなみに私は、ある時はとても疑い深く、ある時はあまりに単純でコロッと騙されます…笑)
そして次は「疲労」と「バネ感」というキーワードです。
疲労が無い、少ない、つまり楽というのは、健康に関しては禁物なワードだと思います。
人間の過去の歴史のうん十年~数百年程の文明の利器、技術の発展には目を見張るものがあります。
自転車、オートバイ、車、飛行機、家電…etc.
どれを取ってもその長所には計り知れないものがあります。
但し、どれを取っても健康には良いとは思えません。
人間が歩かなくなってしまった、動かなくなってしまった、からです。
アフリカで素足で生活している人たち、メキシコでサンダルの様な(底の薄い)履物で暮らしている人たちはベタ足着地をしていて、年をとっても膝に故障が出ないそうです。
人間は、その重い頭を他の四つ足歩行の動物たちと比べて高い身長の一番上に持ち、首から腰までのカーブを描いた長い背骨、そして腰、膝、足首のジョイントによるクッションで支えています。
靴のかかとのクッション性が良くなり、(もろ)かかと着地をすると足首のクッションは使いません。
人間が裸足で歩いていた歴史と、靴が誕生して靴を履いて生活した歴史の長さを比べると、どちらが長いでしょうか?
その長い歴史の中で、人間の身体が出来てきたと思います。
その昔、有名だった素足の世界トップフルマラソンランナー、アベベ選手をご存知でしょうか?
先進国の人間も、プールサイドなどの硬い地面の上では、誰もが決して(もろ)かかと着地をせずに、自然とベタ足着地をしているのをご存知でしょうか?
人間はダッシュを含めて運動をしたり、階段の上り下りには決して(もろ)かかと着地などをせずに、むしろ爪先着地をしているのを知っているでしょうか?
何十万種類もいる動物の中で唯一二本足歩行をする人間を除き、殆どの動物のかかとは退化して後退し、今日意味をなしていません。
つまり、使わないものは退化するです。
正に廃用症候群です。
くるぶしから下の足の部分のアーチ状のことはご存知でしょうか?
ベタ足着地と、(もろ)かかと着地のどちらが良いか…
その判断に迷うのは、何十万種類もある動物の中で、二本足歩行をするのは唯一人間だけで、他に比較参考になる存在がないからではないでしょうか。
とても興味深いコメントをいただき、そのコメントの中には肉は体に良い/悪い とか、ちゃんと3食、食べるべき/本当におなかがすいた時に食べるべきか… とありました。
どちらも私にとってとても興味深いテーマですが、長くなるので次のブログに乞ご期待下さい(笑)。
さて、コメントの次の部分に関してです。
「私的には多分厚底の靴はトップアスリートのように自分の寿命をすり減らすレベルでは有効なのかなとか感じていますが。。」
全くその通りだと思います。
今回の厚底靴も、タイムを競い合うトップアスリートには必要な物かも知れません。
なぜなら彼らは決して健康のために走っているのではなく、タイムを競い合うために走っているからです。
目的が全然違います。
それこそ国際陸上競技連盟の規定に違反しないレベルなら、どんな文明の利器や技術の進歩も取り入れるべきではないでしょうか。
でもそれが健康にも良いかどうか…
川崎