人によく勘違いされるのが、まるで私が悠々自適、余裕綽々の生活を送っているかのように思われることです。
でもそれは事実とは大きく異なります。
確かに2006年、ドイツのタバコ自販機業界向けの身分証明書鑑別機という、それまでこの世に存在しなかった製品を製造協力先と一緒に開発して、数十万個という販売数でオンリーワン製品として市場を席巻したことはあります。
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その後も数製品はオンリーワンやダントツナンバーワン製品を開発、販売することができました。
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そのお陰で2006年の年商は、僅か3〜4人の会社で13億円程にもなり、数億円の利益も見込んでいました。
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でも、その後のビジネス上の大きなトラブルで瀕死状態になりました。
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世の中そう上手くは問屋が卸してくれません。
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2006年も、こちらがしつこくそれだけはやめてくれと言うにもかかわらず、製造パートナーが在庫を作り過ぎてしまいました。
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そして半分でもいいから買ってくれと泣きつかれました。
協力先です。断るわけにもいきません。しょうがなく、捨てる他ないと分かっていて買い取ってから泣く泣く処分しました。
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それで当初予想していた2、3億円の利益は一桁も少なくなってしまったのです。
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そして2009年の暮れ、いくつかのヒット製品が出ると、製造パートナーは製造利益だけではなく、販売利益にも意欲を見せました。
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製造は製造パートナーが、そして販売はうちの会社が… というジェントルマンアグリーメントの協力関係でした。
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でもその約束は反故されて、彼らはドイツに独自の販売子会社を作ってしまい、いつの間にかうちの会社は外されてしまいました。
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多い時は、その製造パートナーの製品販売だけで売り上げの9割を占めていたので、外されてしまえば9割の売り上げダウンです。
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普通は9割もの売り上げダウンがあれば、どんな会社でも潰れます。
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それを何とか持ちこたえられたのは、利益が一桁減ったとは言え、内部留保があったことと、他の製品群で何とかカバーできたこと以外に、元々僅か3、4人の最小レベルで会社のランニングコストが低かったからです。
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その後も色々と努力はしてみましたが、別な製品を作ってもそれほど売れず、当時の業績に戻すことが出来ないどころか、借金は膨れてゆくばかりです。
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そして現在、多額の借金を抱えていまだに苦しんでいます。
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現在の収入から計算すると、借金の返済が完了するのは何と80歳代の後半です。
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でも最近は、もし収入が増えれば借金の返済も早くなるなどと、借金返済人生を楽しんでいるようなところがあります。
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最初は債権者も色々とうるさく言っていましたが、開き直ってしまえば良いのです。
「これだけ多額の借金を抱えてしまったので、一家心中してもおかしくないかもしれません。一家心中して借金が一切戻ってこないのと、時間はかかっても、少しづつでも戻ってくるのとどちらが良いですか?」
この一言で債権者ももう何も言いません。
こちらの返済計画を認めてくれます。
それでも気が滅入る時は、次の2つの言葉を思い出しては自分自身を励ましています。
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その2つの言葉は現在落ち込んで暗くなっている人にはお勧めの言葉ですので、ここでご紹介いたします。
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まずは相田みつをさんの言葉です。
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長い人生にはなぁ
どんなに避けようとしても
どうしても通らなければならぬ道
というものがあるんだな
そんな時はその道を
だまって歩くことだな
愚痴や弱音は吐かないでな
黙って歩くんだよ
ただ黙って
涙なんか見せちゃダメだぜ
そしてなあ その時なんだよ
人間としてのいのちの
根がふかくなるのは…
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2つ目は中国の言葉で「孟子告子章」の中に出てきます。
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天が重大な任務を人に与えようとする時には、必ずまずその人の精神を苦しめ、その筋骨を疲れさせ、その肉体を飢え苦しませ、その行動を失敗ばかりさせ、そのしようとする意図と食い違うようにさせるものだ。これは天がその人の心を発憤させ、性格を辛抱強くさせ、今までにできなかったこともできるようにするためである。
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川崎
製造先の裏切り・・・って
一番こたえますね、言葉がちょっとない。