日本(人)を世界の物差しで測ってみると、とても面白い事実が分かってきます。
色々な面で日本人が世界の中で斗出しているのです。
今回ここでは(世界の)犯罪に関しての日本人の心構えに関してです。
一言にまとめると、「日本人は世界で一番犯罪に弱い」と言えます。なぜなら日本人は世界ダントツで安全な島国育ちだからです。
つまり温室育ちです。雑草は強くなり、温室育ちは弱くなります。
ヨーロッパではイギリスも島国ですが、イギリスは歴史上何度も南の大陸側や北側から襲われ続けて慣れています。
第二次世界大戦を除けば、どういう訳か日本は今までの長い歴史の中でたったの2度しか外国から襲われていません。かの有名な元冦(蒙古襲来) です。
しかもそれを神風(暴風雨)で吹き飛ばしてしまったそうです。
よって日本人は、世界の中でも稀に見る安全な島国でぬくぬくと育ち、大陸で起こっていた国と国との間の戦いや暴掠、強盗、盗みなどを知りません。
だから海外で起こっている犯罪にとても弱いのです(同じ理由から外交にも弱いですが…)。
デュッセルドルフで多くの日本人が集まり、ドイツ人から日本人通りと呼ばれるインマーマンシュトラーセ(Immermannstr.) 界隈では、びっくりするほど日本人が犯罪(盗難・置引き)の被害に遭っています。
デュッセルドルフで治安の良くない地域と言えば、例えば Bilk などが挙げられますが、一見治安が良さそうな Immermannstr. 界隈の方が、実は Bilk よりも犯罪が多いのではないでしょうか?
しかもその被害者は日本人です。
総領事館や警察、保険会社の人に聞くと、その被害者数は本当に驚いてしまうレベルです。
不幸中の幸いにも、そのほとんどが窃盗・置き引きなので、人体に危険が少なく新聞にも載りません。でも中には身体に被害を受けた人もいます。
日本人は犯罪に疎いので、窃盗団から目を付けられていいカモにされています。
日本という世界最高の安全な島国に住む日本人は犯罪に慣れていないので、ボケ〜としていて襲いやすいだけではなく、しかももしその場で犯罪が発覚しても最もおとなしい国民性を持っています。
次に以前、在デュッセルドルフ日本総領事館経由で届いたドイツの警察情報です…:
ドイツ国内の犯罪認知件数は、2009年まで減少傾向にあったものの、2010年から増加に転じ、2014年は‘09年以来で初めて600万件を超えた。
NRW州でも2010年以降、犯罪は増加傾向にあり、2014年中の認知件数は前年比約1万6.000件増の150万1125件となった。
NRW州よりも人口は少し多いものの、東京都と比べた場合9倍以上の件数です。強盗に至っては東京の約30倍発生。
少なくともここ5年間のトレンドでは、犯罪が増加傾向にあることは間違いない。
…というものです。必ずしもここ最近の受け入れ難民と全てが関係しているわけではありませんが、ここ数件の事件の犯人は今話題の避難民でした。
先日ある方から、「最近ドイツに住み始めたけど、難民問題やテロ問題が心配だ。日本に住むのとどっちが安全?」と聞かれました。
私の答えは、「犯罪と言う意味では日本は世界で一番安全な国です。でも日本には天災があります。とお答えしました。
ドイツ警察からの情報が続きます。9月28日(月)午後7時15分頃、警戒中の私服捜査員が、不審な男2人組がケルナー通り、オスト通り、インマーマン通り、アム・ヴェアハーンを徘徊しているのを発見して追跡を開始しました。
2人組はインマーマン通りの路上駐車スペースに来ると、お互いに合図し合って二手に分かれ、このうち1人が自家用車を駐車したばかりの若い女性に運転席側から声をかけ、身振り手振りで後輪に損傷があるかのように伝えました。
女性が運転席から車外に下りた隙に、助手席側に隠れていたもう一人の男が後部座席に置いてあったハンドバッグを奪って逃走した。
警察はすぐに32歳と28歳の男2人を逮捕しましたが、両名とも逮捕歴を有する北アフリカ出身者でした。
彼らはいわゆるプロであり、のほほ〜んとした日本人にしてみると、手品師みたいなものです。
実は以前、ドイツに長く住む私の知人もこの方法でまんまとやられてしまったばかりです。
そこで総領事館では以下の点に注意するように呼びかけています。
-車内では所持品を目の届く場所に置く
-車両を離れる際は、短時間でも施錠して窓を閉める
-貴重品や積載物は車外から見えないように工夫する
ドイツでは、実は日本の4倍以上の犯罪が発生しています。殺人は約2倍、強盗は約13倍、窃盗は約3倍。
そしてデュッセルドルフが州都である、NRW州ではドイツ16州の中でも最も多くの犯罪が発生しています。さらにデュッセルドルフは、大規模都市別の犯罪件数で、フランクフルトに次ぐ第2位です。
デュッセルドルフの中央駅前から旧市街・ライン川の方に向かう、Immermannstr. (インマーマンシュトラーセ)界隈では、不審人物そうな人はあまり見かけない上に、多くの日本人を見かけるので、ついつい安心してしまいますが、実は日本人は犯罪組織から狙い撃ちにされているのです。
某日系保険代理店にも、毎日のように被害届けの連絡が入っています。
別な例では、タバコを一服している時などに、足元で両足の間にはさんでいたにもかかわらず、カバンを持っていかれるなどのケースが多発し、その手口はあまりにも鮮やかで、日本人にとっては本当に手品のレベルなのです。
貴重品の取り扱いは、日本人にとっては非常識なレベルまでの注意が必要です。
自分自身以外にも友人、知人、同僚が日本からやって来る時は、くれぐれも注意するようにお伝えください。
かく言う私も以前マドリッドに出張した時に見事にやられてしまいました。
空港からホテルに着いてチェックインし、喉が乾いたので横の方のバーに飲み物を注文に行きました。
荷物を直ぐ後ろに置いたまま飲み物を注文したのですが、振り返るともう荷物が無い..?
それは僅か10数秒の間の出来事。ホテルの出入り口まではどんなに急いでもそれ以上かかりそうな広さがあります。
しかも周りは大きなガラス張りよく見えます。そんな短い間に置き引きは無理だと分かり、”あ、これはドロボーじゃないな!?” と思いました。
それでも心配しながらホテルのカウンターに行って、”ひょっとして今ドッキリカメラみたいなことをしています?” と、ついつい聞いてしまいました。
相手の反応は勿論 ”???”。 詳しく説明をすると、それは日常茶飯事とのこと。だからガードマンを雇っているとか。そういえばガードマンがチラホラ見えます。
あの僅かな時間で、しかもガードマンまでいて、どこへどうやって荷物を消してしまったのか...
いまだに謎ですが、何とその日はマドリッドが雪という寒い日。荷物全て、そして荷物の上にかけたコートまでみんな持っていかれてしまったのでした。
幸いなことに現地の取引先のスペイン人がすぐに来てくれて領事館に直行。確か翌日にはマドリッド領事館(再)発行のパスポートを作ってもらえ、現金等は失ったもののクレジットカード等は悪用されませんでした。
領事館の窓口でついついそのことをポロッと… ”私はこちらに長いので、こういうのに慣れているのですが、あのタイミングでは手品以外の何ものでもないのですよ...” 、と申し上げました。
そうしたら領事館の職員さんは、”ついこの間、ニューヨークから来ていた人も同じようなことを言っていました…
マドリッドの置き引きの凄さはニューヨーク以上?
実はその約2週間後に今度はミラノに出張だったのですが、またしても雪。
予約した夕方の便を待っていると、雪のせいで出発時間が少しづつ後ろにずれていきます。結局夜の12時近くになって欠航が決定。
幸いに次の便は翌朝6時頃。でもこれからホテルを探してそこへ移動し、明日ここに又戻ることを考えると実際に寝れるのはほんの僅かな時間。
しょうがないと腹を決め、空港のベンチでフテ寝を決め込みました。つい先日にスペインでの置き引きがあったばかり。ベンチで浅い睡眠に入るものの、しょっちゅう目が覚めて握り締めた荷物が気になっているのでした。
他にもモロッコを旅した友人が、首から下げていた高級カメラに子供がジャンプして飛びついて、体重をかけて着地した時にはカメラのひもは切れてしまい、カメラを持って走り去られたそうです。
その子供を追いかけると周りの子供がみんなで足を引っ掛けて転ばせようとするので結局つかまらなかったそうです。
モロッコの中流?~上流?の家庭では、お手伝いさんは玄関で寝るそうです。
超安全島国育ちの日本人。日本人の常識は世界の非常識と言いますが、それは良い意味でも悪い意味でもその通りです。
そう言えば昔イラク戦争が起こる時、TV で竹村健一さんが ”戦争はあり得ません” みたいなことを言っていたのですが、その翌日に戦争が始まってしまいました。
竹村さんもフルブライトの優秀留学生でアメリカ滞在があったようですが、きっとその頃のお付き合いの相手は優秀なアメリカ人達ばかりで、考え方の全く違う人たちとはお付き合いしていなかったのでしょう。
竹村さんの常識と、フセインさんの常識は全く違うものだった訳です。
安全に関する日本人の常識も、世界では非常識なのです。
くれぐれもご注意下さい。
竹村さん!懐かしいです。ゴーストライターに政治論を書いてもらって、それがばれて
大変な糾弾にあった政治評論家でしたね~。
確かに日本人にいる感覚で外国に行くと被害に遭いますね。
私もバッグを地べたにおいて洋服を見てたりしてドイツ人のマダムから
注意を受けたことがあります。
「日本では盗む人はほとんどいないけど、ドイツはその反対。バッグは重くても
抱えて洋服をみなさい!」と。
今でも時々思いだします。