昨日は、デュッセルドルフが州都となっているノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州の州選挙でした。
今までNRW州の政権を取っていたSPD(社民党)と緑の党が惨敗。メルケル首相率いるCDU(キリスト教民主同盟)が得票率34.5%で第1党の座を獲得。CDUは3月と5月初めに行われた2つの州議会選でも勝利しましたが、国内最大の人口を擁するNRW州の選挙は9月の連邦議会選の前哨戦として最重要視されていて、4選を狙うメルケル首相にとっては追い風となります。
歴史的には、NRW州は39年間にわたってSPDの牙城でした。前々回の選挙でCDUが州政権をとりFDPと連立政権を組みましたが、CDUの「スポンサー疑惑」などにより2015年の州選挙で惨敗。SPDと緑の党が政権を取っていました。
NRW州は、CDUとFDPが連立を組んだ中道右派政権に交代します。
これは、NRW州の有権者が、SPDと緑の党のリベラル政権にノーと言った事になります。たくさんの人が、現在の政治、特に文教政策にうんざりしていたことが大きな原因とTVで報道していました。
なぜCDUに投票したか?という調査結果。 投票行動を決定づけたのは、文教政策に期待してというのが第1位。第2位の理由は「この混乱と激動の世の中で、やはり保守党に入れたかった」。つまり、Brexit、トランプ、ルペン、テロリスト云々、こういうのを見ていると、ドイツ文化の基底にあるキリスト教的民主主義に戻ってきたくなる。
今回の選挙結果を受けて、州首相に就任するアーミン・ラシェットは、インタビューでアナウンサーに「あなたは、CDUの中で、リベラルと言われていますね。」と言われ、
「NRW州は、実に多様です。多様な人々、多様な文化、多様な価値観、こういうところで、がちがちの保守というのは通用しません。」 と答えていました。こういったリベラルな所も有権者に受け入れられたのでしょう。
調査結果によれば、投票した人たちの80%が、中道左派から右派に代わっても、政治の内容はあまり変わらないと考えています。ちなみに、極右ポピュリスト政党(AfD)は、7,3%で初めて議会入りします(5%の得票率を超えた為)。それでも、NRW州では一時期の勢いはすっかり衰えました。
政権交代があるというのは有権者がきちんと、投票後も政治を見ていると言えます。第二次世界大戦の反省から生まれたドイツの民主主義や学校教育の成果は、確かに機能していると、個人的には思います。
Takaoka
緑の党、についてはもっと活躍するのかと思ってましたが
このところ沈静化し、日本ではほとんど報道されなくなりました。
注目しているのですが。
ドイツには「緑」がたくさんあるのにやはりそれでもまだ「みどり」が
いるのかなあ・・・・と最初は思ってましたが。