最近、足袋などの足の裏の薄い靴にこだわっています…   そして先日のPRIMARKの商品を3点使ってみた結果報告も…

靴というものの存在が、人間の本来の歩き方を変えてしまいつつあると思います。

人類の長い歴史の中で人は、靴無しで歩くことを数十万年以上、考え方によっては数百万年も続けてきました。

足の裏は平らのように思いがちですが、人間の足首から先は縦にも横にもアーチ状、ブリッジの形になっています。

歩いている時、走っている時に、このアーチ状の足先もクッションの役割をしてくれています。

ドイツでは、もし子供が偏平足だとお医者さんから「家では裸足で歩かせて下さい」と言われます。

足首もクッションの役目をしてくれています。

但し、かかとから着地をしなければです。

足首の先は元々アーチ状をしています。

靴が発達するようになって、靴底が足を守ってくれるようになりました。

特に最近のスポーツシューズのようにかかとの部分が柔らかくなると、それに頼ってしまいます。

そうなると着地の時に完璧にかかとから着地してしまうのです。
1960年のローマオリンピック、そして1964年の東京オリンピックのマラソンで2度続けて金メダルを取ったエチオピアのアベベ選手のことを聞いたことがあるでしょうか。

彼は何とローマオリンピックを素足で走りました。アスファルトの道でかかとから着地したらかなり足が痛くなるだろうと思ったので、ひょっとしてつま先(ベタ足)着地ではと考えてみました。

早速調べてみると案の定その通り。インターネットで「アベベ」、「つま先着地」などのキーワードでいくつもの情報が出てきます。

アベベはやはりつま先着地でした。42.195kmの科学、マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」 (角川oneテーマ21) などという本も出て、ランナーの世界ではここ数年そのことが静かな話題になっていました。

つま先(ベタ足)着地をすれば、足先のアーチと足首の関節が大きなクッションになります。

ところがかかとからの着地だと、それらのクッションが全く活かされません。

靴のメーカーの努力で、かかとの部分のクッションがとても良くなり、中には2mの高さからの落下でも卵が割れないなどというすぐれた材質もあるそうです。

でも「ちょっと待った!」です。それって、交通機関が発達して足腰が弱くなったり、家電の発達で身体を動かさなくなってしまったのと似ていないでしょうか。

元々つま先着地、正確に言えばベタ足着地で歩いたり走っていた人間が、靴の登場で足の退化を始めてしまっているのではないでしょうか。

人間以外の四足動物は、かかとが退化して後部上方に行ってしまっています。

馬などは、強く速く走れるということで、指がたったのひとつ、ひづめになってしまいました。かつては4本あったそうです。

靴を履かないアフリカの原住民や、ペラペラのサンダルのような履物で暮らしていて長距離も走るメキシコのタラウマラ族などには、膝の故障などないそうです。

そういう意味では、現代人の膝の弱さは靴がもたらしている可能性が大きいと思います。

あの天才的数学者、岡潔さんも「皮底の靴は頭に響く..」と言ったそうです。

人間の歴史は猿と人間の間の先祖まで入れれば数百万年。

靴の歴史はわずか数千年。しかもかかとの部分が厚くなってきたのは、エアー何とか等でまだほんのつい最近。

わずか数百万分のいくつとかいうレベルです。さて、どちらの方が人間の身体により良いでしょうか。

瞬時の動きや短距離走、階段の昇り降り、縄跳びなど、どれも全てつま先着地です。

自転車こぎだってつま先をペダルに乗せた方がふくらはぎが働くので有利です。

どんなにいい靴でも、足先のアーチ状の足先 プラス足首という自然のクッションにはかなわないのです。

スポーツなどで膝を痛めなくても、多くの高齢の人たちが膝の故障で悩まされています。

革靴などでコツコツと音を立て、もろにかかと着地をしているのが、「骨、骨、骨、」という膝の悲鳴に聞こえてしょうがありません。

そういう膝への負担を自分で気が付かない日々のレベルでも、何十年も続けていれば、歳を取ってから膝が悪くなってもおかしくありません。

とても面白いことに、プールサイドなどのタイル張りなどでよく観察してみると、みなさん誰でもかかと着地はしていません。

自然にベタ足着地になっています。つまり、足の裏全体での着地です。

ところが靴を履いてしまうとそれをしないのです。

かかとの柔らかい靴などに頼ってしまうから、かかと着地になってしまうわけです。

ちなみに日本の青年海外協力隊でアフリカに行き、ひょうんなことから現地のアフリカ人の足をさわらせてもらった知人がいるのですが、「きっと硬くなっているに違いない」という予想を裏切って、彼らの足の裏はたいへんに柔らかいそうです。

でももし、かかとの柔らかい普通の靴でかかと着地をやめようとする場合にはひとつ注意点があります。

つま先着地はふくらはぎの筋肉を余計に使うので、その分ふくらはぎが疲れます。

特にジョギングの場合にはそれが顕著です。だから最初はある程度慣らしが必要です。退化を戻すにも(?)苦労が要ります。

靴の裏の薄い靴なら大丈夫です。それはプールサイドを歩く人たちの足の裏の着地を観測すれば良く分かります。

かかとが受けるショックが大きいので、自然にベタ足着地になるのです。

つまり、靴の裏は薄ければ薄いほど良いことになります。

世の中、医療や薬に限らずあらゆることに関してメーカーや産業の思惑に一般消費者である私たちは騙されっぱなしなので、もっと一人ひとりが自分で気をつけて生活しなければいけないと思います。

さてふくらはぎは、その形を大きく変えて静脈弁のポンプ機能に貢献するゆえんから第2の心臓と言われているくらいなので、活発に使った方が血液の循環のために、つまり身体にもいいことになります。

つま先着地とはいえ、本当につま先から着地するのではなく、ランナーの間ではミッドフットと言われていますが、足の外側部分と足の指の付け根あたりで着地をします。

ベタ足着地のようなものです。足を地面に付かずにぶらぶらさせた場合、ちょうどその部分が一番低い位置になります。

大切なのは、完璧なかかと着地をするのではなく、足先のアーチ状を利用できれば良いのです。

なぜこのことに気が付いたかと言いますと、私の膝は弱者の長所でセンサーのように敏感なのです。

半月板損傷の手術の後に弱くて敏感になりました。ジョギングをしている時に、ジョギング用のかかとの厚い靴でも長くかかと着地で走っていると膝が重くなってきます。

ミッドフット着地で走るとそれがありません。あるいはアスファルトの上よりも草地、あるいは雪が積もった所を走ると膝の調子がとても良いのです。

走る時の膝の保護のためには、靴の裏、特にかかとの部分の柔らかさは不要なのです。本当に必要なのは自分の身体に備わっている自然のクッションなのです。

本格的なランナー達の間で使われている靴底が薄いワラーチというサンダルのようなものでも同じです。

人間がいろいろなスポーツで上達する、つまり上手くなるには、上手い先生に付いて教わるのが一番です。

水泳、テニス、野球、ゴルフ、どんなスポーツでもそうです。ところが、最も大事な基本である歩くことに関してはあまり先生がいません。

スポーツとしての走ることに関しては先生がいますが、どういうわけか歩くことについての先生は、モデルさんでもない限りほとんどいないのです。

それは人間が生まれてきて一番最初に習い、誰でも自動的にマスターできると勘違いされているからでしょうか。

歩くという、人間にとって最も大事な動きを甘く見ずに、モデルさんが美しく歩くための歩きを習うように、腰や膝に優しい歩き方を考えるべきではないでしょうか。

歩くことにもやはり上手い下手があり、上手く歩けば身体に良いし、下手に歩けば身体に 良くないと思います。

手が不自由な方々で、驚くほど足が自由に動く方々がいます。

足で洋服を着れたり、習字や絵を描いたりできます。

勿論根気のいる練習の成果ですが、実は人間の足にはまだ昔のポテンシャルが残っているのではないでしょうか?

つまり、猿と別れて歩き続けて腰が強くなって足が強く長く、背が高くなりましたが、猿の頃の足を手のように使う能力です。

退化はしてしまったので、勿論猿の様に足もまるで手の様に使いこなすことはできませんが、それでもまだ鍛えれば結構使いこなせるのだと思います。

ちなみに画像の一番上は普通の足袋、その次が雨の日でも大丈夫な足袋、3つ目がボルダリング用の専用靴です。

ボルダリング専用の靴は、まるで猿の足のために作られたかのような形をしています(笑)。猿の足は人間の手くらい(?)器用です。

実際にボルダリング(壁登り)をすると、足がモノを言うのです。

猿のように足を引っかけるだけで登るのがかなり楽になるのです。(詳しいことはボルダリングのブログで…)

最後の画像は、先日Oberstdorf でたまたま見つけた、ちょっと変わった靴屋さんで見つけた靴。

親指とその他の指の境目で別れていないものの、履き心地はまるで足袋。

普通の靴のように、靴底で足の裏の動きが固定されてしまっているのではなく、足先が自由に動きます。

まさに扁平足の子供に医者が自宅で裸足歩きを勧めることを実行できます。

素晴らしい靴です。

でも高いんです。

何と、140ユーロ。

先日、PRIMARK に行ってその様子をおしらせし、16ユーロの靴と、ジャージの下(スポーツパンツ)、5足で僅か3ユーロの靴下をご紹介しました。

職業病(?)か、私はついついすぐにコスト計算をしてしまいます。そしてそれらの3点を現在テスト中ですが、決して「安かろう、悪かろう」のレベルではありません。

最終結論はまだこれからですが、16ユーロの靴も、3ユーロのジャージの下(スポーツパンツ)、5足の靴下も、立派にその務めを果たしています。

オシャレな人には分かりませんが、3点ともおかしくも何ともなく、むしろ私には気に入っています。

3ユーロの靴下もジャージの下も普通に使っていますが、靴などは軽くてカジュアルでも黒いので、仕事にも履けるどころか、ジョッギングにもOKです。

そうなると、16ユーロ対140ユーロ。対費用効果・コストパフォーマンスはPRIMARKの方がはるかに上。

16ユーロの靴に無いのは1000円の足袋の素敵な履き心地感だけです。

川崎英一郎

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カテゴリー: ドイツの暮らし, 健康, 医療と健康
最近、足袋などの足の裏の薄い靴にこだわっています…   そして先日のPRIMARKの商品を3点使ってみた結果報告も…」への3件のコメント
  1. senryusato より:

    ローマ五輪ではアベベ氏は、確かにはだしで走ってますね。写真も残ってます(すごい)
    ちなみに、陸連は、はだしで走っても良い、ということに決まりにはなっているそうですが
    アベベ以降はどうなのでしょうか・・・・。

    日本女子のマラソンの靴、一足、1万円以上。練習で一日一足履きつぶすので
    練習だけで30万円かかると聞いて仰天しました。
    すべてオーダーメード。

    マラソンも御多分に漏れず、大変お金のかかる競技だと知りました。

  2. netdeduessel より:

    senryusatoさん、コメントをありがとうございます。

    東京オリンピックの時のアベベさんは靴を履いていたのかもしれません。
    申し訳ありません、その辺の詳しい事実(どの大会で裸足、どの大会で靴か) までは分からないので、ブログのテキストもありがたくその旨修正させていただきました。

    大会によって履いたりはかなかったりかもしれません。
    ローマの時はどうだったかご存知でしょうか?
    グーグルで画像を検索すると色々と出てきます。

    ちなみに足袋ですが、私が日本のアマゾンで買うのは一足1.000円でした。
    でもジョっギングなどで外で履くとつま先の方のゴムの部分が十分でなく、布がすぐ破けてしまいました。

    その点ブログの内容の140€の靴は良くできています。
    でも高い…

    川崎

  3. senryusato より:

    私は家でははだしです。
    日本人には偏平足で、オリンピックでメダル取った人もいて、偏平足は(日本では)別に運動神経に
    関係ない、と先日テレビで言ってました。

    アベベ選手が東京オリンピックで走ったのは「はだし」ではありません。きちんと靴を
    履いています。
    完全に逸話です。ただ彼のニックネームは「はだしの王者」でしたが。
    ぶっちぎりのゴール後、靴を脱いで「もう一回走れる」と言った印象が強いせいでしょう。

    足の裏には多くのツボがあり、足袋などは大変いいらしいですね。

    私は足袋が大好きですが、一足1600円以上するので
    なかなか身近に感じられません。

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