臭素と放射能と鉛の関係


プラスチックなどの石油製品に混ぜると燃えにくくなって防火の役割を果たす難燃剤や医薬品、特殊ゴム、化学原料として利用価値の高い臭素を製造し、運搬している日本の会社が、その臭素を運ぶタンクが日本では作られていないためにドイツ(一部ベルギー)から輸入しているのですが、その通訳を仰せつかって先日行った先がベルギーの
Van Hool 社というバス、コンテナメーカーでした。

臭素は1826年にフランス人によって発見され、その名称は激しい刺激臭があることからギリシャ語の「悪臭」という単語から来ています。

腐食性が強くて、鉛以外のほとんどの金属を侵してしまいます。アルミホイールを臭素に漬けると激しく反応して煙が出て来ます。

勿論人体にも危険で、臭素ガスを少し吸っても危なく、多く吸うと死に至り、肌に付くと火傷をします。

臭素のメーカーであるその日本の会社の最初の訪問先のことは先日書きましたが、今回はもう1つの取引先であるドイツの会社の社長さんから急にお電話をいただき、今週急遽再び同じお仕事の追加になりました。

予定が長引いたので、日本から来ていた英語のできる商社マンが帰ってしまう代わりに来て欲しいという依頼です。

日本の臭素のメーカーさんは現在ドイツ(一部ベルギー)の2つのメーカーさんから同時購入しています。

大手の会社が良くおこなう手ですが、一社購入だとその一社にもし何かがあった時に困ったことになるからです。

例えば製品の不具合が致命的だとか、あるいは工場が火事になって出荷できずに納期を守れなくなるとかの万が一の場合に備えてのことです。

つまり今回も再び特殊タンクを作っているメーカーでの通訳です。タンクとは、タンクローリーに乗っかっているような大きなタンクです。

そこで思い出しましたが、先日臭素を運べるようにタンクに特殊加工がで
きる会社は世界でも僅か
4社、ドイツに2社、アメリカに1社、イスラエルに1社と書きましたが、最後のイスラエルはイギリスの間違いだったのでここで訂正致します。

前回の会社はバスのメーカーとしても興味深かったのですが、今回のメーカーも、ミリタリー向けの特殊なタンクも作っていてやはり興味深いものがあります。

例えば軍の基地に置くガソリンタンクがそうです。ガソリンタンクとは言っても、それ単体でガソリンスタンドみたいに機能するように、発電機、照明やポンプが付いています。

軍の基地は常に固定とは限らず、どこかに遠征もするからです。例えばよくテロでも問題になる中東です。耐寒、耐熱性も優れています。下はマイナス32度まで、上は46度まで。

エレクトロニクスの業界にいる私にとっては、「えっ、上はたったの46度まで??」と逆に驚いてしまいました。

なぜならミリタリー用の電子製品というと、上は70度まで大丈夫というのが珍しくありません。

直射日光を受けた容器の中などはすぐに熱くなってしまうからです。でもタンクの場合はたぶんそれ以上は技術的に難しいのかもしれません。ユーザーさん側で直射日光を遮るなどの処置を取るそうです。

ちなみにこの会社の会議室には軍やエアバス社からの感謝状が貼ってあります。

つい最近サウジアラビヤ政府とのビジネスで数億円のトラブルがあったそうです。

サウジアラビア軍の注文で作ったタンクが最終的に引き取られなかったそうです。

相手が政府とはいえ、中東の国相手にリスクを残してビジネスをしてしまったツケです。

中東の他にも、ヨーロッパでは広範囲で地中海に面した国々など、ビジネスの面ではかなり厳しく接しないといけない国々があります。

決してそれらの国々のことを悪く言いたい訳ではないのですが、少なくともうちの会社ではそれらの国の会社とは前払いの条件しか受け付けていません。

過去に何度も痛い目に遭っているからです。

国民性、常識の違いと言えばそれまでですが、本気で考えると怖いものがあるのです。

メルケルさんがそういう意味でギリシャにこだわるのは武器輸出のため? と疑ってみたくもなります。

前回も今回もとても興味深いのが、他の金属と違って温度に弱く、キッチンのお鍋で簡単に溶かして成形でき、手でも簡単に曲げることができるほど柔らかいのに劇物や放射能に強い鉛という金属の面白い性質です。

さてこのブログ、通訳をしている時にどうしても暇な待ち時間ができてしまい退屈ですが、そういう時にこういうものを書くことを思いついてから書いています。

通訳にも、痒い所に手が届く「孫の手」感覚が大事です。待ち時間の暇つぶし兼通訳代を出してくれる会社に対して何かできないかと考えた末のアイデア、もし通訳を目指す人が読んでいたら参考にして下さい。

川崎英一郎

www.tsuyaku.co

www.eiichirokawasaki.de

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カテゴリー: ドイツの暮らし, ビジネス
臭素と放射能と鉛の関係」への4件のコメント
  1. netdeduessel より:

    ありがとうございます!
    うっかりしていました。

    確かに舐めるなどはもってのほかで、触ったら手を洗えと言います。

    でもそう聞くと、ついつい一度舐めてみて、「ほら、大丈夫だよ」などと言ってみたくなってしまう私はやっぱり天邪鬼な変人(汗💦)? というより危険人物?…

  2. senryusato より:

    猟銃で鳥を撃って、その鉛の弾が湖などに落ち汚染に
    なる被害が北海道でもあります。

  3. bontaka より:

    「キッチンのお鍋で簡単に溶かして成形でき、手でも簡単に曲げることができるほど柔らかいのに劇物や放射能に強い鉛」
     
    釣り具にも使われる鉛ですが、お子さん等が読んでマネをしないか心配しています。鉛は重金属中毒を起こす金属です。
     
    実は恐い鉛中毒について
    http://www.takahashi-honyaku.jp/column_bio/14.htm

    鉛中毒
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%89%9B%E4%B8%AD%E6%AF%92

    Takaoka

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