日本語を「教える」のではなく「提供」するというのは少しわかりにくいかもしれませんね。
こどもが母語を習得していく過程を少し考えてみましょう。
生まれたときから、いえ、お母さんのお腹の中にいるときから、赤ちゃんは毎日お母さんの言葉を聞いています。まさに母の言葉、母語です。
赤ちゃんの時にお母さんから「あ」「い」「う」「え」「お」、などと
日本語を教わったという方はまずいないことでしょう。
お母さんは赤ちゃんがわかるとわからないとに関わらず話しかけますが、
0歳の赤ちゃんに日本語を正しく教え込もうとしているわけではないですよね。
「提供」しているのです。
お母さんからの語りかけが豊かであればあるほどこどもの受け取る日本語は豊かになります。
これは赤ちゃんのときだけでなくその後もずっと続きます。
特に海外で、家の外に出れば日本語がない世界、家の中でお母さんの語る言葉は
子供にとって日本語に触れることができる大変貴重な機会です。
お母さんが子供の頃の話、楽しかった話、そんなとりとめもない話の中に
生きた言葉があり、日本を身近に感じ、興味を持ったり、楽しい!好き!という
気持ちが育まれる大事なものが隠れているのです。
机に向かって日本語のドリルやワークをやらせる以前に
そのような親子の時間を大切にしたいものですね。
言葉だけでなく、子供の心にとっても。
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そろばんは日本の文化
コミュニティwatashi
山片重信