とあるドイツの公立学校で感じる幸せ

先週、「チーム太郎」(名称は私が勝手に付けている)のミーティングがありました。息子に市からスクールアシスタントさんを付けてもらっているので、現状や問題点を話し合う、年に2回の貴重な機会です。

構成メンバーはクラスの担任と副担任、スクールアシスタントさん、スクールアシスタントを派遣している直属の機関から一人、そしてスクールアシスタントを付けるかどうかを審査&決定する大元の役所から担当者一名(日本の教育委員会とは違う、日本語に直訳すると青少年管轄の役所)、そして両親の計7名。(前回までは、ここにもう一人、セラピストの方もおられて計8名だったが、彼女のセラピー受講期間が終了&卒業したので、今はお休み中)

それぞれの立場からここ半年の息子の成長や課題を出し合い、共有し、共通認識として次への目標を定める。このミーティングでは毎回涙しないことがないほど感激と感謝と感動する。とにかくこのチームのメンバーが素晴らしい。それが特別なことなのか、他の学校の事情などは分からない。

何に感激するかって、何人もの大人が一人の子供の成長を心底応援している、ということに尽きる。「大人の都合による」という視点や物差しではなくて、その子供の人格、現状そのものを受容して応援しているチーム。だからなのか?それぞれが皆、自分の役職や立場から意見を言いながらも、なおかつお互いを尊重する姿は本当に素晴らしい。誰も「自分の考えだけ」を押し付けないし、誰の非難もしない。こういうミーティングの場合、責任の所在をなすりつけ合ったり、文句が多い、と聞くこともあるけれど、このメンバーに於いては皆無。

そしてトンチンカン外国人である私たち親に対しても、申し訳ないほど下手くそなドイツ語にも関わらず、理解を示してくれていることも、本当にありがた過ぎる。

息子の学校での問題だけではなく、当然、家庭内の話にも及ぶわけで、私達も「この時!」とばかりに、色々報告、相談事、答えの見つからない思いを持参する。

ともすると「我が子のことは家庭内で」「子供のことは親が一番分かっている」と思いがちな考え方も、外に出すことで、「なんだ、自分自身のカタイ頭所以だったのか・・・」などと一瞬で思えたりもする。今回は私達がこの1年の報告と今思っていることを話すと、それを受けてすぐに青少年課のお役所の担当者が大変あたたかく、かつ非常に的確な意見を熱心に話して下さった。彼女はスクールアシスタントを必要とする色々な子たちを知っており、その経験、知識が豊富なのだが、その立ち位置がとにかく何より子供のためという目線で徹底していることにいつも驚きと感謝、感動なのです。

普段息子と会う機会も全然ないのに私達よりもよく息子のことを理解してくださっているではないか・・・と思うほど。

親子間の両側通行の中で見ている息子を、複数の道路が行き交う交差点の真ん中に置いて見てみると、「つい忘れがちな」「本来の」息子を感じることができるような錯覚に。笑
普段の「良かれ」と思っていたことが、「いや、厳し過ぎたのか」「要求しすぎているのか?」と省みる機会にもなる。

息子がスクールアシスタントを付けてもらえるようになってから、彼の変化は著しい。学校もお友達も先生も大好きで、毎日嬉しそうに学校に行く我が子の姿を見ることは、なんとありがたいことか。他者と自分を繋ぐ社会という中で、自分らしく生きて行ってくれればそれが一番!人様に迷惑をかけないために、きちんと生きるために生まれてきたのではないのだから。

そんな息子の今を支えているのが、自分たち親だけでなく、学校という社会なんだということをいつもいつも思い出させてくれる「チーム太郎」の存在に心から感謝している。そして、自分たち親もまた、社会の中で助けられ育てられているんだ、ということに気付かされる。

子供が抱えている難しさ、問題を理解してくれ、受け入れてじっくり成長を促し見守ってくれるこの環境がどんなにありがたいことか。もちろん怒られることも多々。それも本当にありがたい。

息子が「学校大好き」「お友達が一番大切」と嬉しそうに学校に行く様子を見るにつけ、このサポート、受け入れて、認めてもらっている下地があることが非常に助けになっていることは間違いないと思う。思えばお友達ができて、自分から遊ぶ約束をするようになったのもスクールアシスタントの方がついてくださるようになってから。それまでも担任の先生と密に連絡をとって相談を重ねていたが、やはりスクールアシスタントの方がついてからぐっと良い方向に変化した。

そして、学校の外にもよき理解者としてサポートしてくださる素敵なオトナの方に恵まれている。親、学校の先生だけでなく、色々なオトナ、色々な視点、色々な考え方、文化。多様な人との関わりの中で支えてもらう安心感。その中で、他の子よりも成長はゆっくりだけれども、色々なことを感じ、経験していってほしい。

たとえ発達障害等の問題を抱えていなくても、傍から見たら、普通~に学校に通っていて何の問題もなさそうに見える子供でも、実は居心地の良くない学校環境、周囲の理解やサポートを必要としていたり、周りの目を気にして自分を出せなかったり、そんな子供は大勢いるのでは?見えにくいだけに分かりにくいだけに根の深い問題だったりするかもしれない。そういう子供と日々向き合う親にはまたその親たちの悩みや苦しみがあり、理解やサポートを要している人もいるはず。

子供がいつでも気軽に立ち寄れる「居心地の良い空間」「いるだけで元気が出てきて楽しくなる空間」「色々な人との新しい出会いや刺激がある空間」があったらいいな、という想いを強くしています。

年齢のちがう子供、少し年上の大学生や社会人のお兄さんお姉さん。色々なオトナとの関わりから新しい刺激をもらって可能性を広げる、殻を破る、相談できる、いつでも行ける、そこにいると安心、新しい何かに出会える、そんな場が。

 

ASOBO! 山片重信

http://asobo.de
子供たちにスキーを始め色々な遊びの体験をしてもらうASOBO!を主宰。
元々は中学・高校受験の大手塾講師。現在も理数科目の指導を行っている。

 

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カテゴリー: 子育て, 教育, 未分類
とあるドイツの公立学校で感じる幸せ」への2件のコメント
  1. 金丸 より:

    ドイツの公的機関を通じたスクールアシスタントのことで、急ぎ教えていただけませんでしようか

    • ASOBO! より:

      金丸さんの求めている答えではないかもしれませんが、私の知っていることはあくまで個人的な体験の域を出ませんので、
      以下で少しでも参考になれば幸いです。
      州や市によって、そして何より担当者によって!大きな違いがあることと思います。
      ちょっと長くなってしまいましたが以下ご参考までに。

      私たちの場合
      Jugendamtに申請のため問合わせ、必要事項を確認し、
      医師の診断書など諸々を準備→お医者さんには困っている旨を伝え、
      どうしても何かしらのヘルプが必要だと力説、
      たまたまお医者さんが親切な方で、「うーん、微妙なケースで僕は○○症だとは思えないけど
      絶対に違うとも言えないし、この子にとって必要とあらばその診断名を書くよ」
      とおっしゃっていただき、あっさりと診断書をいただくことができました。
      必要なものをそろえ、Jugendamtに申請し、amtの担当者はそれをさらに会議にあげて通すために
      資料作成してくださり、無事認められてアシスタントさんをつけていただけることとなりました。
      動いてから1年以上かかっています。

      そして、実はこれらすべては、地元の市の「自閉症の子供を持つ親の会」のリーダーの方に
      アドバイスいただき、これこれしかじかの診断が必要(アルファベットと数字で細かくカテゴライズされている)、
      それにはここのドクターがとても親身になってくれるから絶対ここに行くとよい、
      Jugendamtは担当者によって全然対応が違うから私が一緒についていくわ、と同行して下さったり、
      信じられないほど親切な方のアドバイスと実際の助けがあって初めて可能になったことでした。
      何もかもお世話になった色々な方のおかげですが、やはり彼女なしには考えられません。

      Jugendamtもたまたま担当者が交代したばかりで新しい方にあたり、その方が素晴らしくよい方で
      私、この分野知らないから色々教えてもらえると助かる、とおっしゃったので
      一緒に来てくれたリーダーの方が必要なことを教え、完全に私たち子供サイドに
      立ってくださるので本当に助かりました。
      彼女にも毎年お礼の手紙やプレゼントをしています。

      こうした私の経験から唯一言えるとすれば、下記のことだけです。

      地元で同じ悩みを抱えている親の会をまずさがして訪ねてみてください。
      とにかくよい人との出会いが一番大きいです。
      そして、押しの強さ。積極的に動いてプッシュプッシュ、簡単に引き下がらないこと、でしょうか。

      私たちも自閉症の子供の親の会に何度も出席しましたが、
      ドイツ語もまだままならず、話している内容はさっぱりわかりませんでした。
      でも、おぼろげに他の方のお子さんの状況を想像し、共感し、
      自分たちのことも聞いてもらい、なにか分かりあえた気がしています。
      そしてリーダーの方から様々な情報、アドバイス、さらには何度も同行して頂きました。

      その医師の予約を取ろうとしたら1年後だと言われ、あんまりなのでホームページで調べたら
      その医師直通の電話とメールが載っていたので、「電話受付でこういうことを言われたのだけど
      自分たちはこういう状況で困っているからなんとか早めに予約ができないか?」
      とメールをしたら、すぐに本人から、「それは受付がおかしい。私の予定には空きがあるから
      来週のいついつ来てください。受付には私から注意しておきます」と丁寧なお返事を頂いて感激。

      制度があるということはもちろん素晴らしいです。
      でも、最後はやはり、人間、ですね。
      それを動かす人々の素晴らしさに感謝の毎日です。

      金丸さんの体験もぜひシェアして他の方に役立ててください。

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