特に優秀なスタッフでも、お給料はやたらに上げると後で苦労をします…

ある日系企業の駐在事務所所長を5年、雇われ社長(ドイツ現地法人)を3年、(超零細ですが…)オーナー社長を12年の間の雇用経験からも謹んで申し上げます。
どんなにその人が優秀でも、どれほどに頑張っていても、昇給は矢鱈滅多にしてはいけません。
そう聞くと、ブラック企業? と勘違いされてしまうかも知れませんが、それは昇給が物価上昇率をはるかに上回る場合の時のお話しです。
後で必ず困る時が来ます。人間と同じように、人間が集まる組織である会社も生き物みたいなものです。調子のいい時もあれば、悪い時も必ずあります。
そんなの当たり前のことじゃないか? と言う人はもう理解されているのでこの先は読まなくても大丈夫です。そんなことさえも分かっていなかった頃の私のお話なので…
日経ビジネス等で紹介される、10期連続増収増益などという企業はごく稀なケースです。
とは言うものの、前述の駐在事務所と現地法人での合計8年間は常に増収増益でした(←自画自賛?)が、それも運です。
もし会社の調子の良い時にお給料を上げてしまうと、調子が悪くなったり、何かの理由でその人がふるわなくなった時にどうなるでしょうか。
どうにもなりません。減給しかありません。こちらでは(日本でもどこでも?)それが本人にはかなり応え、普通は辞めてしまいます。
駐在事務所の時代、現地ドイツ人2人目を雇用した時、その彼は潜在客先に勤めていました。
こちらから営業に行った時に知り合いました。こちらの製品の購入決定権を持っているようでした。
相手は潜在客でもあり、相手のお話しをついつい真剣に聞きますが、かなりの論客(に思えました)。ついついその雰囲気に呑まれました。
そして彼は今の仕事・会社が気に入ってなく、こちらも人を探していたので最終的にご縁あって転職・入社の運びとなりました。
その会社とは結局取引にいたらなかったので、客先からの引っこ抜きなどというややこしい問題にはなりませんでした。
彼と初めて会った時に、名刺を私の方に向かって机に放って投げ渡したのは気になりましたが、的を得たことをズバズバと言ってのけ、口は立つようでした。
でもどうやら行動が伴わないことにその後気がつきました。世の中、有言不実行は悪。
さらには、1人目の現地採用スタッフから、彼が仕事中にPCゲームにうつつを抜かしていることが判明しました。
そしてお客様の接待に一緒に連れて行くと、お客様を差し置いて、自分が先ず座ってしまいます。それも奥のお客様席に。躾が悪いようです。
カンパニーカー付の、当時ではまあまあのお給料でしたが、当初の(彼が自画自賛する)想像(で決めたお給料)とは程遠いということで、減俸をお願いしました。
(お給料には、お給料の法則というものがあります)
結論から言うと、彼はその後、結局辞めてしまいました。給料の金額等うんぬんより以前に、プライドの問題だったのかも知れません。
そうなんです。恥の文化の日本人に限らず、プライドには世界中の人が誰でもこだわります。
「なんだ、単に採用の時にしっかりせず、拙かったんじゃないか!」と仰らずに、2度目のケースも知って下さい。
この時に、スタッフのお給料を下げるとどうなるかということを学習したにもかかわらず、その約10年後に同じ過ちを繰り返してしまいました。
2度目の時は自分の会社の時です。会社を創立する時に、なるべく低い経費に抑えようと思い、会社を1人で回そうと思っていました。
ところが、近くに住んでいた、前の会社で4人目の現地スタッフとして採用したドイツ人から、うちの会社に来たいと言われました。
彼は私よりやや早く前の会社を辞めていて、就職先を探していたのですが、私が会社を始めたことを知って応募に来たのです。
会社をスタートするにあたり、2人分のお給料をちゃんと出していけるかどうか不安でしたが、雇うことにしました。
結果的に、会社が始まってすぐに彼の技術的な専門知識が必要となったので、運が味方することになりました。
彼の努力と技術的な専門知識のお陰もあって、業界が要求する新しい製品を作ることもでき、13億円ほどの全く新しい市場(パイ)を作ることもできました。
でもいいことばかりは続きません。新しく生まれた需要でも、僅かその程度の金額の市場では、1年程で飽和になってしまうレベルの小さなパイです。
需要の起き上がり時は製品が大量に必要とされてそれなりに大きな売り上げも生まれますが、その後の買い替え需要はたいしたことはありません。
そうして運良く新しい需要、市場を3つ続けて作ることができましたが、その後が続きません。
会社の創業時から加わってくれた彼には、会社の業績に応じて相場よりだいぶ良いお給料や、本人が望むちょっと変わってマニアックな、目一杯レースチューンしたカンパニーカーを支給していました。
でもそのお給料やカンパニーカーは、会社の業績が普通になってしまえば奇妙に映ります。そこで減俸というか、給料額の正常化をお願いしたのです。
彼にとっては精一杯のポーカーフェイスだったのかもしれませんが、理不尽な給与額が誰の目にも明らかで、私自身の減俸や、私の希望の車の入手までには至らなかったこともあり、すんなりと納得してくれました。
しばらく経った頃、彼から不思議なことを言われました。台湾に移住するので会社を辞めたいと言うのです。
来る者を拒まず、去る者を追わずではありませんが、会社にとっては惜しくても、本人がそう希望する以上はそれを応援するしかありません。
彼には、本人が希望する大型のBMWのカンパニーバイクも支給していたのですが、そのバイクは台湾に持っていくとのことでした。
そのバイクも元々ボーナス代わりのものだったので、反対する理由がありません。半年ほど準備をした後に、本当に彼は台湾に移住してしまいました。
数年たった後に、綺麗な台湾人の奥さんと、生まれてまだ間もない赤ちゃんを連れて遊びに来てくれた時は、台湾で幸せにしているんだな〜と嬉しく思いました。
でもやはり彼が台湾に行った理由は、台湾に行きたかった気持ちはあっても、減俸が直接の理由に思えて仕方がありません。
後で考えてみれば、どんなに会社の業績が良くなっても、大きく相場を超えた給料や、常識を超えたカンパニーカー、カンパニーバイクなどを支給してはいけないのです。
そういうことをすると、後で必ず振り戻しが来て、その振り戻しで苦労してしまうのです。
お給料の法則という大胆な題で以前書きましたが、やっぱり世の中には中庸の法則があり、行き過ぎには振り戻しが働きます。
ボーナスなら大丈夫ですが、昇給には要注意です。素晴らしい働きをするスタッフの昇給には、くれぐれもご注意下さい。

ブログランキングの応援クリック、 にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ 宜しくお願いいたします!

広告

ドイツ進出完全サポート ドイツアウトソーシング完全サポート

タグ: ,
カテゴリー: ドイツの暮らし, ビジネス
特に優秀なスタッフでも、お給料はやたらに上げると後で苦労をします…」への1件のコメント
  1. senryusato より:

    重たいはなしだなあ。会社を設立したことはありませんが、なんだか実体験なので胸にずーんと響く。確かに会社の「大入り」の時は臨時ボーナスで弾んでも、給料の昇給は普通は年一回だし
    零細が人がほしい時でも、横並びより少しいい程度な気がします。
    働く側からすれば、故なき減給は将来を見通せないので、厳しいものがあります。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

  ブログランキングの応援クリック、         宜しくお願いいたします!      ↓↓↓           ↓↓↓

にほんブログ村 海外生活ブログ デュッセルドルフ情報へ
にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。