腐れ縁とのディーラーと、一体どうやったらスムーズに別れられるか...

日系企業の中でも中小のメーカーなど、まだ海外対応の準備ができていないところは、最初からいきなり子会社を設立するのではなく、商社や現地で力のある販売店にセールスを任せます。

まずその時の注意点として、西洋では個人主義がまかり通り(日本でも最近その傾向のようですが…)、自己主張が当たり前なので、相手はエクスクルーシブの権利などを平気で要求してきます。

ひどい時には、表裏一体のはずである義務と権利の内の権利、エクスクルーシブは要求するものの、どの位売るかの義務、コミットメントを出さないことさえもあります。

まあそんなのは論外として、もし仮にコミットメントを出してくれたとしても、その数値は「えいやっ!」的ないい加減なものであることが多いのです。

日本側としては他にこれといって頼るところもなく、英語のできるスタッフもそう多くいるわけではありません。西洋式の自己主張に押しまくられてついつい相手の言いなりになりがちです。

それでもその後ある程度売ってくれれば良いのですが、なかなか販売が伸びないこともよくあります。

稀に、同じ業界のある販売代理店を飛び出した、業界のことをよく知った1人が、自分の将来を賭けて新しい販売代理店を一からそのためにスタートしてくれるというような時もありますが、その場合は成功率が結構高くなります。

まず第一に、その人に会社を飛び出すという気合があること。そして製品販売の見通しが立っていること、さらにその人の生活がそれにかかっているという三拍子が揃っているからです。

そういう稀なケースを除き、代理店は普通それだけで生きているわけではなく、他に収入源があるのでこちらの製品がすぐに売れても売れなくてもどうということはありません。

ですがこちらとしては伸び悩む日本市場に見切りをつけて期待した海外販売なので、すぐに伸びてくれなければ困ります。

そして何年か続けるうちに多少販売の数字にもメドがついてきて、英語のできるスタッフも海外経験を積んで力を付けてきました。そうなると気になってくるのがやけに高い販売代理店のマージンです。

販売代理店のマージンで、自前の現地法人を運営して利益を上げることができるという理屈が成り立ってきます。

そこでドイツ販売子会社の構想が浮かび上がってきますが、そこには今までの販売代理店との関係が横たわっています。こんな時は一体どうしたらよいのでしょうか?

ケースバイケースでその方法は勿論様々ですが、代理店ともめて訴訟問題にもつれ込むのではなく、時間をかけて円満なお別れをすることを強くお勧めいたします。

人間は誰でも複雑でややっこしい問題は後回しにしがちなので、ついつい時の流れに任せてしまいます。でもそういう問題だからこそ、ロングタームの計画を早めに立てて、相手にもその意向を伝えてイザコザを防ぎ、円満な契約の終了を目指すべきです。

訴訟問題になってしまうことがお勧めできない理由はまず、日本人が訴訟問題に慣れていないことです。それは日本で4.500人に1人の弁護士、ドイツでは560人に1人(アメリカは30人に1人)という各国の弁護士の数でもすぐに分かります。人間は誰でも慣れていないことは当然不得手です。

弁護士に任せてしまうのだから気が楽と思いがちですが、それは大きな間違いで、資料の準備など、必要な書類は結局自前で揃えるしかありません。裁判では書類がものを言います。弁護士は、依頼主から提出された書類を利用して専門的に代弁するだけです。

日本人は訴訟にも弁護士にも慣れていませんが、それに慣れている西洋人とやり合うわけなので分が悪くなります。日本人の弁護士ならまだ阿吽の呼吸も通じますが、ドイツ人の弁護士ではそういうわけにもいきません。

弁護士に頼らずに円満に済ませる方法は、まずは数年がかりの計画を立てます。ほんの一例ですが、その取り決めの初年度は、相手が全く損をしないようにコミッションを設定します。むしろ相手が得をする位が望ましいです。

そしてそのコミッションの比率を5年〜10などという長い年数をかけて下げてゆき、最後はわずかな比率に設定します。例えばもし20%のコミッションが妥当でそれを7年間かけて減らす場合、2年目に17%, 3年目に14%, 4年目に11%… 7年目に2%に設定します。

8年目でゼロとするか、あるいは2%をその後も数年続けるかは、それまでの関係次第。相手をどう評価するか、その後同じ業界内でどういうお付き合いをするか次第です。

それを実行するには、それまでに自前の現地法人が十分に機能していることも前提となりますが、しばらくはコミッションを支払い続けるのですから、現法が機能するまでの協力関係も続けられます。

1番厄介な点は、計画を相手にどう持ちかけるかですが、そこはもう腹をくくるしかありません。相手も馬鹿ではありません。魚心あれば水心です。

これは大事なことですが、そういった大切なことは海外責任者などに任せてしまうのではなく、社のトップが行うべきです。社の今後の重大計画を打ち明けるべく、本社のトップの訪問をうやうやしく告げれば、相手もピンと来るはずです。

繰り返しになりますが、相手は子どもの頃から自己主張を叩き込まれた個人主義者です。日本的な謙遜はタブーで通用しません。

言うべきことはキチッと言うという態度が不可欠です。

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カテゴリー: ドイツの暮らし, ビジネス
腐れ縁とのディーラーと、一体どうやったらスムーズに別れられるか...」への1件のコメント
  1. senryusato より:

    日本も謙遜の時代を終えたような気がします。
    こどもの「いじめ」問題まで、おばあさんが弁護士事務所に相談に来て
    訴訟を起こす時代になっているようです。
    何だか嘆かわしいです。殆どが一人っ子世代になってしまって
    わがままなのか個人主義なのかわからない大人も増えています。

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