拍手の場面で頭を下げるか、手を上げてより多くの拍手を求めるか… 一流選手、ブンデスリーガの細貝選手の場合。

以前、ひょんなきっかけでTVの陸上国際大会か何かで日本の走り高飛びの選手が飛ぶシーンを見ました。

1度目と2度目は失敗したようで、最後の挑戦でしょうか。もうすぐ助走が始まるという時、静かに拍手が始まりました。

するとその選手、何を思ったのか、両手を上に数度煽って、さらなる拍手を求めました。観客もそれに応えて拍手が強まりました…

別な機会で同じようにテレビで、今度は日本の国内マラソン大会の最終シーン、上位3、4番目の選手がゴールしていました。

3位か4位のその選手は、ゴール後に、複数の方向に向かってゆっくりと、そして深々とお辞儀をしました。応援に対してのお礼のようです。

どちらも普通に見ていてどうということもなさそうな2つの別々のシーンかもしれません。

でもなぜかそこにとてつもない大きな違いを感じてしまうのは私だけでしょうか?

片や観客に場を盛り上げてもらうという、他の人に何かをしてもらう、頼るという方法。

片や自分の全力を出しきり、それを応援してくれた人にお礼をする姿。

前者の選手、その行為とは無関係かもしれませんが、3度目も失敗でした…

そしてある「剣道」の大会会場でのお話し…

その一戦には、全国大会への切符がかかっていたそうです。

「メーーーンッ」という凄まじい雄叫びが会場を揺るがし、鮮やかな一本が決まりました。3人の審判の判定も文句なしの一本であり、この一本は全国大会への出場を確定するものでした。

ところが…、

ここから事態は急変します。

突然、主審がその文句なしの一本を取り消したのです。

会場はどよめき、勝者であったはずの選手も戸惑いを隠せません。

なぜ?

一本を取り消された理由は、一本をとった選手の「一本をとった後の『ある行動』」でした。

その「ある行動」とは、「片手だけの小さなガッツポーズ」です。

剣道では、ことさらに「礼」が重んじられ、一本と認められるには、「気」「剣」「体」の三要素すべてが整っていなければなりません。「ガッツポーズ」などはもってのほかなのです。

たとえそれがどんなに小さな動きであろうとも、相手に対して「礼を失する」行為であることに疑いはありません。それゆえに、一本は取り消されました。

そのガッツポーズは、気づかぬ人が多かったほど本当にちょっとした動きに過ぎませんでしたが、主審はその小さな「非礼」をも見逃しませんでした。

「礼に始まり、礼に終わる」とされるのが、剣道です。「礼」とは、相手に対する「敬意(respect)」のことです。敵である相手を打ちのめすことが剣道の目的ではなく、敵と相対することで自分自身を磨くことの方が、より大切です。

「剣道は肉体的な強さを競うものではない」とも言われ、勝つためだけに剣を振るうことは、剣道とは見なされません。相手との対戦は手段であり、目的ではなく、至高の目的は自分自身の精神的な成長にあるそうです。(剣道に関するお話の出典元: 英考塾)

ところでブンデスリーガの細貝選手と、ご縁あって過去に3度も一緒にお食事をしたことがあります。Unbenannt 8

1度目は拙宅にて。レーバークーゼンのスカウト部隊の1人である日本人の友人が連れてきてくれました。理由はもう忘れてしまいました。

その友人も、30ほど前にサッカー留学でドイツにやって来て、(お給料が出る)3部リーグまで行って頑張った人です。

今はレーバークーゼンのチームで働いていますが、細貝選手が他のチームから移ってきた時に、たまたま同じ日本人であるということで、会社(チーム)からお世話を任されました。

何かの理由で彼を拙宅に夕食で招いた時に、たまたま細貝選手を一緒に連れてきたのです。

でも在独35年、新聞、ニュースもろくに見ない人間にはそれが誰だか分かりません。

ジョーダンの好きなその友人は、「俺の弟」と言うので、「全然年が合わないじゃないか…」と心の中で思いつつも、冗談は自分も大好きなので、「あっ、そう…笑」とその場は終わりました。

その後、もう一組招いていた家族が遅れて着いて、奥さんがその彼を見てびっくり。「えっ、ウソ! まさか細貝選手?」

「えっ、細貝選手って誰?…笑」 まあ、そんなわけでその夜は当然サッカーの話で盛り上がりました。

相手は日本代表でブンデスリーガ。 収入のことで冷やかしたりもしていました。

その晩気がついたことは、細貝選手は乾杯に参加するためだけにか、一杯目のビールを断らないものの、ほとんど飲まなかったことと、とても気さくで礼儀正しかったことです。

そしてその後の2回目は串亭の個室だったのですが、お支払いの時にどうしたら良いものかを友人に前もって聞いておきました。

自分より相手の方がはるかに稼ぎが良さそうだし、こちらは随分年上だし…  果たしてどうしたら良いものか…

すると友達は、「いつものようで良いんじゃない?」とつれない返事。

後日、ポジティブにちょっと驚いたのが、細貝選手からお礼のメッセージが届いたことです。

3回目の席では3部か4部の選手もいましたが、友人も含めて(*) わざわざお礼をくれたのは細貝さんだけでした。

他の人たちをかばうわけではありませんが、後で改めて夕食のお礼などは来ないのが今のご時世。それはとても新鮮に感じられました。

細貝選手は多分、育ちが良いというか、厳しい(?)ご両親の元で躾が良かったのだろうと勝手な想像をしてしまいました。

前述の走り高飛びの選手や一本を取り消されてしまった剣道の選手、そして礼儀正しいマラソンランナー。

細貝選手が後者のタイプの古き良き時代の日本人っぽいアスリートに結びついて思えました。
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* 友人には借りがあるので、念のためにそれをここでお伝えしておきます。

日本人

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カテゴリー: スポーツ, ドイツの暮らし
拍手の場面で頭を下げるか、手を上げてより多くの拍手を求めるか… 一流選手、ブンデスリーガの細貝選手の場合。」への1件のコメント
  1. senryusato より:

    弓道なんかも図星にあたっても、笑顔すら見せられない、とやっていた女性がいっていました。
    喜怒哀楽一切駄目。でも
    最近は、相撲も、行司に文句をつけたり、ちいさくガッツポーズをとっても
    あまりうるさく言われなくなったように思います。
    棒高跳びは欧米の選手の影響でしょうね。盛り上げてもらうというか。
    でも、全て失敗なんてやっぱり少し格好悪いかな?

    フィギャースケートなんかも日本の殆どの男女選手、滑り終わって
    氷のほうに一礼して終わります。
    外国の選手は一切不思議がりません。鈴木明子選手はマナーレディー
    と賞賛されてました。虚礼なんて言葉もありますが、やはり礼して終わるのは
    なかなかいいものですよ。褒められるし(笑)

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