社長が絶対にしなければならない仕事は基本的にはたったの2つだけですが、人によっては3つに増えてしまうことがあります。
さて、それは一体何で、誰にでしょうか...
決めることです。世の中には、決められない人がいます。決断すること。それもなるべく早く、すぐに決断すること。
それができない人には、3つ目の不可欠事項となります。
例えば外食しても、何を頼むかなかなか決められない人がいます。たかが食事で決められない責任者・社長はアウトです。
すぐに決断できない人にはその資格が無いと言っても決して言い過ぎではありません。
社長が絶対にしなければならない仕事以前の資格・条件なのです。
人によっては決して難しいことではありません。でもそれができない人はその職につくべきではありません。世間に迷惑がかかります。
決断、即断ができない人がたまに間違って社長・責任者になっていることがありますが、それは間違った人事です。
船長(社長) が船(組織) の行き先を示せなかったら、船は遭難するか迷って船員はいつか餓死してしまいます。
「何を大げさな!」 と、思いますか? それでつぶれた会社は枚挙にいとまがありません。
組織の階級のレベルで言えば、方向を示すDirector は勿論のこと、Manager でも即断を出せないと決して人をマネージできません。
でもどうして即断できないのでしょうか?
迷うからです。どうして迷うのでしょうか?
迷うということは、複数の選択肢があり、どれがより良いかが分からない...
どちらも捨てがたいから迷う... つまり煩悩にまどわされているわけです。
どちらが正しい方法、正解かが分からないからです。
でも実は本当のところ、正解などないのです。
何がより良いか分からない時は、なんでもいいからその時の勘で決めてしまいます。
「えいやっ!」 です。
何が本当に良いのかは、後になってみなければ分かりません。それに勘って結構頼りになるのです。
勘とは、その人が今まで得た知識と、積んだ経験をシャッフルして出てくる答えです。
つまりその人のそれまでの人生を凝縮して出てくるエキスです。
でも実際には、後になっても本当の正解は誰にも分からないのです。
比べる対象がないからです。二つ以上の同時進行が世の中不可能だからです。
未来のことなど神様にしか分からないのです。だったらどちらかを自分の勘で決めてしまい、それを部下に示します。
間違っ(たと思え) てもいいのです。元々間違いなどないのです。あるとすれば、計る物差しが違うだけです。
選んだ方に最大の努力をしてチームを導くだけです。
上が決めることができないというのは、その組織にとって最悪なことです。
間違った決断(など有り得ませんが) の方が、決断できないよりはるかに良いのです。
ちなみにその判断力、決断力を普段から養う方法はあります。
決断を迫られた時に必要なのは、普段からの勉強、そして経験の蓄積もさることながら、普段から自分でルールを決めておくことです。
ある程度のルールを決めておくと、だいたいの場面においてすぐに答えが出てきます。それが例えば社の理念や社訓です。
人間がどう生きて行くべきかを教える道徳や宗教の代わりになるものです。
それさえしっかりと決めておけば、迷う暇も必要もありません。
それは会社が創立されてスタートする前に、必要不可欠なものです。
普段からのルールは私は全く決めてないから迷います。
そしてたいてい間違います。