モーゼルの自然と観光、ワインと歴史 - 「モーゼル観光ワイン体験ガイド」が語るモーゼルの魅力 (2)

2.モーゼルとの奇異な出会い

筆者が初めてモーゼルと関わりをもったきっかけは、非常に稀な偶然からでした。しかも、その偶然は、世紀の2度とないような時期に巡ってきたのです。

ときは1999年の年末も迫る12月上旬ごろで、世界中はコンピュータの2000年問題で緊張が走っていました。

少しずつ届き始めたクリスマスカードと一緒に、郵便物の中に見知らぬ宛先からの封書が混じっていました。モーゼル地方のブドウ栽培ワイナリーからで、まったく知らないところです。

封を開けてみると、なんと招待状で、大晦日から元旦にかけて年越しパーティを開くので、ぜひご家族で参加してください、というのです。

1000年にたった1回の格別な年越しにとって、またとないすばらしい招待を、しかも未知の人からいただくとは、なんと幸せなことか。

もっとも、仕事がら資料を集めるために筆者の名前はあちこちのリストに登録されていて、出版している冊子もドイツ中に配布されているので、このように突然コンタクトを求めて来ることは珍しくないのです。それにしても、今回の招待は格別な重みを持っていました。

しかし、この時点では、これがきっかけとなって自分の将来にとってモーゼルが長く影響を与えるとは、まったく思ってもしなかったし、その予感すら皆無だったのです。おや、いい招待が来たな、ぐらいの軽い感覚でした。

さっそくワイナリーに招待を受ける旨の連絡をしました。ついでに、どこで筆者のことを知ったのか尋ねたら、だいぶ前に私が発行している冊子を手にし、いつかは連絡を取りたかったが、これまできっかけがなかったというのです。その冊子をどこで見つけたのかは、もう忘れてしまったが、日本の文化に興味があり、なんとかコンタクトが欲しく、内輪の小さな集まりでちょうどいいので、参加していただけるのは嬉しい、と。

さて、当日はお昼前に出かけ、車で約2時間半、途中の丘陵地帯には雪が積もり、素晴らしい樹氷の景色を眺めることができ、まるでモーゼルへの道が私たち家族を歓迎してくれているような気がしました。世紀を超えようとする今日はどんな大晦日になるのだろうかという期待と共に、わくわくと心が躍るのでした。

石づくりの大きな建物が2つある屋敷に着くと、すぐにゼクト(ドイツの発泡酒)で乾杯(こういうヨーロッパの習慣は下戸にとっては苦痛なのだ!)。ワイナリーのオーナーR氏は恰幅のいい大柄の控えめな紳士で、ヴュルツブルク大学で経済学を専攻、父親の遺産であるブドウ畑とワイン醸造所を経営しているとの話でした。

Richtershof-Haus-web

- Rワイナリーはこの地方で典型的なシーファーとよばれる粘板岩づくりのどっしりとした構え -
– – – – – – – – – – – – – – – – – –

代々のワイン農家だが、先代までは雑貨店も開いていたのだそうです。100年前には、この地方では早くからコロニー商品といって、中近東や東南アジアの輸入品を扱い、遠方からも買い付けに来るほど繁盛し、特に当時珍しかったコーヒーがよく売れたとも。遠くから買い付けに来る商人も多く、この小さな村を通る道には、コーヒー街道という名前までつけられたということです。

当日の居合わせた客は近隣の知人が数人だけで、家族は私たちだけ。みんな気安くおつき合いできそうな人たちばかりで、気の置けない、親密な雰囲気が、こういう見知らぬ人たちが集まる場では気後れする私にとっては、とても気楽な場となりました。

乾杯の後はすぐに軽食が出ました。なんでも、その時間は南太平洋がもう新年を迎えたということで、パイナップルの入った甘いカレー料理でした。料理人は隣り町ベルンカステルでフランス風レストランを経営するシェフで、R氏とは親友らしい。

食事について出された白ワインをほんの少々口に含んだとき、その甘みと酸味の調和した味わいがまさにブドウ果実を思い起こさせるようで、ワインに馴染みのない私にも、意外と味わうのに抵抗はありませんでした。でも、量を飲めないので、ちょっとだけにしていましたが、先ほどのゼクトの影響もあって、顔はもうホテホテです。

食後はワイナリーの見学でしたが、季節的にワインづくりの活動はまったく見られず、地下に降りて行くと樽が並んでいましたが、まず目に入ったのは黒いカビが生えている石壁で、あまり居心地のいいところではないなぁ、などと思いながら、奥へ進んで行きました。

寝かせてあるフーダーと呼ばれる(初めて聞いた言葉でした)1000リットル入りの樽の列や(使っていない樽には水が入っているという発見もあり)、先代が使っていたという何万リットルも入る大きな樽が印象的でした。カビが生えているというのは、醸造にとっていい環境にあるということを意味するそうです。

Richtershof-Keller-web

- 醗酵中のワインの甘すっぱい香りと壁カビの匂いがまざる地下の醸造風景 -
– – – – – – – – – – – – – – – – – –

次回は、瀟洒な居間の壁に飾ってある大きな絵に描かれているナポレオンが登場します。
どうしてナポレオンがここに・・・?

jc

ブログランキングの応援クリック、  にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ   宜しくお願いいたします!

広告
カテゴリー: おでかけ, ドイツの暮らし, 各種サービス

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

  ブログランキングの応援クリック、         宜しくお願いいたします!      ↓↓↓           ↓↓↓

にほんブログ村 海外生活ブログ デュッセルドルフ情報へ
にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。