デュッセルドルフの12月の星空+おうし座

私は長年、地中海世界で星空を眺め、星空を撮影してきました。
暑く乾燥した世界の天と地の間で、オリオン座を意味する古代の紋章を探し続けていました。放浪の結果、様々な星空を語ることが出来ます。月々の星空を紹介しながら古代へとタイムスリップの旅に誘うページとご理解ください。

ドイツは考古学の先進国です。デュッセルドルフは世界で最も発達した中規模人口都市だと思います。
折角の機会ですから、日本では書けないような内容で書いています。
多分、日本では「もっと初心者向けに書け!」と言われそうですが、これでは永遠に初心者向けにしか書けません。そんな訳で意外と貴重かもしれないです。

 

■デュッセルドルフの12月の星空
寒いですね。日没も速く、街はすっかりクリスマスモードになりました。
秋のエチオピア王家に因んだ星座たちもゆっくりと西へ移動していきます。
そしてオリオン座を始めとする豪華絢爛は星座たちが東の空に現れてきます。
(先月とあまり文章が変わらないのは、夜の始めが速くなる分、先月の星座も結構残っているのですね。夏の星座であるはくちょう座だって、夜の初めならば西の空に輝いていますから)

12月15日23時00分の星空。

・今月の天文現象

12月6日   満月(15時23分)
12月14日   ふたご座流星群が極大(出現期間12月5日~12月20日)
12月20日   細い月と土星が大接近
12月22日   新月
12月23日   こぐま座流星群が極大(出現期間12月18日~12月24日)

*こぐま座流星群は1時間当り数個しか見えませんので、あまり期待しないほうが良いです。寒いですから!
*メインは14日のふたご座流星群です。1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群と並ぶ3大流星群です。空の暗いところでは1時間当り20~30個ほどでしょうか。方角ですが、オリオン座の辺りを眺めていれば、流星が斜めに突っ切っていきます。明るい流星も多いので印象に残りやすいです。

 

■おうし座について

Tau

冬の天の川に入り組んだ暗黒帯が面白いですね。ヒアデスはヒュアデスとも。ギリシャ語のΥ(ウプシロン)がドイツ語のウムラウトのuに相当します。ラテン語ならば外来語の「Y」。日本語ですと「ュ」ですね。英語読みならオリンピック、地名を日本語で書くとオリュンピア。現代ギリシャ語やイタリア語ならディオニソ(ス)。日本語表記ではディオニュソス。キプロスがキュプロス。言葉って嫌ですね。ついでにギリシャ語を無理やり長音化させたり、英語読みを日本語化してしまうと、プトレマイオスがトレミー、ホメロスがホーマーですから情けなくなります。うんざりします。

この星座の星の並びは真に迫るものがあります。
雄牛のいかつい顔がヒュアデス星団で、そこから長い角が2本伸びています。長い角です。乳牛のような短い角ではありません。繰り返しますが、「長い角」です。見たことあるでしょうか?アフリカ大陸のスーダンなんかですと、比較的容易に目にすることが出来ます。スーダンまで出かけるのは現状、難しいものがあります。たかが牛の角見たさに出かけられるものではありません。エジプトなどでの出土品にも長い角を持った牛のミニチュアは、結構見掛けます。
また「A」を右に90度回転させると、フェニキア文字のアレフとなります。アルファベットの「A」ア音ですね。ギリシャでは紀元前8世紀頃から見られます。でもミュケナイ時代(1900BC-1200BC)の線文字Bのア音(A)は両頭斧でした。この時代、90度回転させたA(アレフ)は、現在のEとかAEに近かったですね。AEならばドイツ語ならAにウムラウトが付いた感じか。。。

linerB

上:線文字Bの音価。日本語のひらがなのような構成です。ミュケナイ人が使用した言葉は印欧語のギリシャ語ですから、さぞかし使いにくい文字体系だったことがわかります。下:幾何学様式に古いギリシャ語。Aが90度傾いています。「最も美しく踊った人へ」の「最も」を示す最上級格が続く部分ですね。

116

2005年10月富士山新五合目にて20cm反射望遠鏡で撮影

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おうし座の背にはプレアデス星団が見られます。現代ではおうし座の一部ですが、古代では独立した星座だったことが多いです。プレアデス星団は日本では「す ばる」と呼ばれます。シュメール時代ならばシュメール語で「Mul mul」ですね。意味的には「星々」です。この星団は紀元前2200年頃、春分点がありました。丁度、メソポタミア文明が遊牧民たちによって被害を受け始 める次期ですね。
ついでに言いますと、ヒュアデス星団の辺りは紀元前3000年頃に春分点が存在した星域になります。丁度、文明が始まった頃になります。
更に遡って人類が雄牛の家畜化に成功したのが紀元前6000年頃です。雄牛を耕耘機として利用しましたので耕地が増え、収穫物を貯蔵するための土器が増え ます。という訳で、人類が土器新石器時代を迎えるのが紀元前5000年頃。トルコのチャタルホユック遺跡(BC5500年頃)には雄牛を祭り上げたような 部屋があります。アンカラにあるアナトリア考古学博物館で見学可能です。

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チャタルホユック遺跡の復元。遺跡としての特徴は廊下が無いです。部屋と部屋がくっついています。アナトリア考古学博物館にて。

 

紀元前1800年過ぎのクレタ島(北緯35度)ならば、おうし座全体が朝に見え始める頃、麦の収穫時期と重なりました。大型哺乳類、収穫、豊穣と結びついてきます。この島のミノア文明の牛角は有名ですね。勿論、焼肉屋の「牛角」ではありません、念の為。

_DSC4486

復元というより「コンクリート固め」ですね。クレタ島のクノッソス宮殿、北翼。

雄牛崇拝は各地に見られるのですが、考古学者による見解によりますと、人間と比べると巨大な生命体なので、そのマナがどうのとか、雄牛と天空神(ゼウス)との関連性については、、、何でもですね、、、牛の鳴き声が雷のゴロゴロに似ているからだとか・・・。小学生か?と思うような見解もあります。雄牛信仰よりも考古学者や古典学者を気遣ってしまいそうですね。「大丈夫かよ?」って。

数万年前の旧人たちが洞窟に狩猟の場面を描き、そこに牛が書かれているからといって、おうし座とは言えません。ここはデュッセルドルフですから、旧人の話は来月触れましょう(少しだけど)!歳差運動が約25800年で1周しますから、ネアンデルタール人の絶滅年代に近いですね。
シュメール時代の文献として「ギルガメシュ叙事詩」が存在します。ギルガメシュと盟友のエンキドゥは協力して「天の雄牛」を倒すのですが、この天の雄牛を星座のおうし座と一致させたいところですが、決定打はありません。シュメール時代におうし座が存在したのか、ハッキリとしないのですね。


星座物語ですが、これもピンとくるものがありません。テキトーにWebで検索すれば、古代ギリシャ語も読解できない人々による同工異曲の星座物語を探すことは出来ますが、そんなものを紹介するのは私のすることではありませんし、、、

・例えば星座物語では、
テュフォーンに襲われた時、ゼウスが雄牛に変身して逃げたとか、、、
(情けない内容です)
・神話の方では、、、
ゼウスの聖獣が雄牛とか、ヒュアデス(ニンフたち)やプレイアデス(アトラスの娘たち)、間接的にはエウロパの話、カドモスのテーベ建国、、、イオ、、、
というくらいです。
・秘儀の世界ならば、、、
ディオニュソスが持つ形態の一つとして関係しますが、ディオニュソスは名前の意味からして「ゼウスの子」ですから、これも困ったものです。まあ夜の儀式なので、暗闇を利用してイキナリ長い角を持つ雄牛の皮を被って神官が現れれば、信者はビビるだろうね。。。
・星座の配置から、、、
オリオン座と対峙するのがおうし座なのですが、星座物語でオリオンが雄牛と戦う場面なんてありません。雄牛と戦うのはヘラクレスのゲリュドーンでの雄牛退治、そしてテセウスによるマラトンでの雄牛退治があり、序にテセウスVSミノタウロスなんかもアリでしょうか。

何を言いたいかといいますと、特に紀元前1000年以降の古代世界で、角を持つものを忌み嫌い始めたためでしょうか。所謂サタニズムというものです。バアル神が角を持ち、アッシリアに支配されたユダヤで忌み嫌われ、キリスト教徒でも角は悪魔と関係され、牧神パーンが持つ小さな角でさえも、悪魔と見做されます。ですからキリスト教徒たちにとってはゼウスは悪魔そのものですね。
ですからベルリンにあるペルガモン博物館にある有名な「ゼウスの祭壇」は、キリスト教徒たちによって「悪魔の祭壇」と呼ばれました。ギリシャ彫刻を破壊したのはキリスト教徒なのですね。新約聖書中の「コリント人への手紙」で、パウロがアテナイで偶像崇拝を攻めていますね。。。(私は宗教関係者ではありません)
紀元4世紀が終わる頃、テオドシウス帝による「異教神殿破壊令」や「異教の行事を禁止」する勅令によって、古代の面白い行事や儀式や習慣、そしてエッセンスはキリスト教徒によって破壊された次第です。現代オリンピックはキリスト教徒によって復活したのですが、私に言わせると「商業的世界体育大会」みたいなものです。オリンピア遺跡で行うからオリンピア競技祭(オリンピック)であり、タモリがやるからタモリンピックというわけです。古代ギリシャでは4大体育競技があり、オリンピア競技(ゼウス)、ピュティア競技(アポロン)が4年毎、ネメア競技(ゼウス)、イストミア競技(ポセイドン)が2年毎に行われました。毎年あったんですね。
世界が神々で満たされた豊かな多神教の世界から、荒々しい1神教の世界になると、世界がワンパターンでたいへんつまらなくなり、他の宗教に対する争いは永遠に続きます。

では角を持つ人間はいたでしょうか?アモン神化したアレクサンドロスくらいでしょうか。そうです。ヘレニズム時代を切り開いた、アノ英雄ですね。尤も雄牛じゃなくて雄羊の角ですが。。。キリスト誕生以前の出来事ですね。鋳造貨幣なんかに刻まれています。
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私はこのアモン神化したアレクサンドロスのレプリカの指輪(18金)を右手小指に、左小指にはアテナ女神(銀製)の指輪をしています。私の不足しがちな知恵をアテナ女神から霊感で補いたいですし、アレクサンドロスならば「常勝」となりますが、まだご利益は少ないです。
ご利益とは程遠いですが、デュッセルドルフにはトルコ人もギリシャ人も多いので私は気が楽ですね。日本と違って、直ぐにギリシャ語が使える環境ですから。ギリシャカフェでフラペ(泡コーヒー)をよく飲んでいます。

このように私がおうし座を語る時はどうしても脱線ばかりで切れ味が悪くなります。

 

 

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写真家(日本写真家協会会員、日本舞台写真家協会会員) 私は長年、地中海世界で星空を眺め、星空を撮影してきました。 暑く乾燥した世界の天と地の間で、オリオン座を意味する古代の紋章を探し続けていました。訪れた遺跡は260遺跡を超え、様々な星空を語ることが出来ます。月々の星空を紹介しながら古代へとタイムスリップの旅に誘うページとご理解ください。著書に単行本「ギリシャ星座周遊記」(地人書簡)、写真集「星空」(日本カメラ社)など。

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カテゴリー: ドイツの暮らし

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