嗚呼!判子社会もはや、いはんこういかも

銀行通帳を無くした。カードもない。あわてて銀行に口座を閉鎖してくれるように電話した。銀行にも私のカードは忘れ物として届いていないという。自分自身にあきれてしまった。つい先日もウォールマットカードで買い物をして、それを機械から抜き忘れて帰ってきた。カードで買い物をすると3%の割引になるのだが、こんなことばかりしていては元も子もない。すぐにマーケットから抜き忘れですよ、と電話があり、事なきを得たばかりなのに。

とにかく、銀行カードを探すことにした。通帳はほどなくバッグの底から見つかったのだが、カードは依然として見つからない。区役所に提出する書類にカードの番号が必要だったので三週間前に、財布から出して確認して・・・・それからが思い出せない。

そうだ!家庭用プリンターでカードのコピーを印刷して、カードを抜き忘れていた、と思い出しプリンターの中に置き忘れていたカードを抜いた。

それからがちょっと大変だった。あくる日

銀行口座の再開をさせる為に、なんとなんと

必要手続きの煩雑なこと。

「発見手続き」の書類にまず印鑑が要る。

二枚分。これに二つ。再開願いにまた二つ。

確認用にまた二つ。ためし印としても3つくらい押した覚えがあるし、住所登録も古いままだったので、また「住所変更」にまた二つ。

印鑑、印鑑、印鑑だらけ。一体私のアイデンテティーというのは「印鑑」に集約されるのではなかろうか?とため息をつきたくなった。印鑑だらけの用紙に私自身の名前は、たたった「二行」しか書かないで済んだというのに。印鑑は十個くらい必要なのだ。銀行員さんの手元を見ていると、いちいち確認のための銀行員さん自身の印鑑も押している。それは私の押した印鑑の数より多い。20個は押していた。これがヨーロッパならサインで住むのになあ、と、こういう時は本当にヨーロッパ流が「すごいこと」に思える。

ちなみに、郵便貯金通帳などは、印鑑が廃止された。けれど、郵便貯金の通帳印鑑廃止同意書に必要なのがまた「印鑑」であった。なんたる矛盾。

サインといえば「太陽がいっぱい」をすぐ思い出す。アラン・ドロン演じるリプリーが富豪の友人を殺し、彼に成りすますために、大型スクリーンに映し出した友人のサインを必死で練習する場面は圧巻だった。これは小説にもなっているがこのシリーズ(「太陽がいっぱい」は小説のシリーズ本の一巻)断然に映画の方が迫力がある。

時々思うのである。昔ならいざ知らず、今は印鑑は百円ショップでも売っているくらい偽造されやすいものである。昔は手彫りで熟練した職人さんが一本一本、念を込めて彫ってくれたのだろうが、今は殆ど100パーセントに近く機械彫りであろう。

そんなものに頼らなければならない、ことの方が怖いのではないだろうか。サインより印鑑の方が偽造されやすく危険なのではないだろうか。

ましてや通帳と印鑑を一緒に無くしてしまえば、もうアウトであろう。誰だって、「引き出し用紙」に名前を書き、その印鑑を押してしまえばあるだけの金が下ろせてしまうのだから。これがサインなら本人以外そのサインをなかなか知ることが難しいわけだから、こうはいかない。

印鑑は易経などとツインになって売られている。自分の名前や漢字の画数などを調べてもらい、将来性ある印鑑、女性なら結婚して苗字が変わっても使える印鑑を普通は作ってもらう。私も、そうしてもらって、印鑑も名のある石に彫ってもらって、大金をはたいて印鑑を買った。認印、銀行印、実印と三種類も。たいして運命に劇的なことも訪れず、将来性はあっても、それは年を取ることだけであって、印鑑によってもたらされた幸運はなぎがごときである。

今、印鑑にこだわっている時代をもう考え直してみてもいいのではないか、と思う。

「俺オレ詐欺」「振り込め詐欺」等々、詐欺グループは印鑑なしに堂々と何百万という金額を一気に詐取している。

印鑑があろうがなかろうが、だましの商売は出来るのであり、現金の出し入れに「確実性」をもたらすこととは違うのである。

外国人が日本に来て、「印鑑」に「マックス」とか「トーマス」とか彫って貰って喜んでいる様子を見ても、珍しい玩具を与えられたような感覚程度なんだろうなあ、と思う。

銀行通帳も印鑑、働いても印鑑、辞める時も印鑑、そして死亡時の診断書も印鑑、死ぬまで印鑑だらけの日本は、それでも印鑑なしに進まないのだろうけど。

佐藤 庸子
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カテゴリー: ドイツと日本の違い

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