一万人の迷子たち

年間一万人が迷子になっている。そのうち300人以上が亡くなっている。

子どものことではない。65歳以上の認知症の人たちのことである。

正確に言えば迷大人とでもいうのだろうか。

このところニュースは、この大変な事態をトップ扱いしている。

NHKがこのニュースをまず取り上げ、施設に運び込まれてきた女性を取り上げた。

さすがテレビの影響力は大きく次の日には彼女の娘さんが母であることを名乗り出た。

また、毎日新聞も数年前に迷っていた男性を一面で大きく取り上げた。

警察から施設へ引き取られた男性は自分の名すら言えず「太郎さん」と名づけられ施設にいたが家族が名乗り出て、幸い本名も住所も確認できた。

メディアの本領発揮、といったところだろう。

しかし、この他の一万人は「名も住所も自分はなぜ迷っていたのかもわからず」施設に預けられるか、行き倒れになってそのまま死亡という形になっている。

認知症という病気の重さをつくづく知らされる。

日本の介護保険法は、ドイツがモデルらしい。

どこをどうモデルとして引用しているのかさっぱりわからないが、依然、介護においては家族が重い負担を強いられているし、75歳も過ぎている人たちから、「介護保険料」を徴収している意味もよくわからない。本来ならば75歳はもはや「介護」を受ける側としての年齢なのだから税金を取られる、ということにあたらないのではないか、と首を傾げたくなる。

毎日毎日、老々介護のニュースばかりで、それが介護疲れで殺人まで発展してしまう痛ましい事件も後を絶たない。

介護ヘルパーさんが言っていた。

介護保険法が入ってきて、風呂場をまたげるかとか、食事を介助なしに食べられるか、とか、家の中、伝うものなしに歩けるか、とか全てレベル化され、点数化されている。

それで介護等級が決まる。ドイツではもうこのやり方してないって聞いてるけど。

人間的とはいえないねえ、と。迷子になって施設に来ても、この人の家族を探してあげなきゃ、なんて余裕は施設の誰にもないよ。

これがドイツのやり方なのかどうかはわからない、けれどその介護すら受けられず、自宅で元気だからと、放られっぱなしになっている老人たちの徘徊迷子、これは本当に軽視できない。介護施設、ヘルパーさんからも面倒を見てもらえず、いわゆる介護の「谷間」に落ちたまんまなのである。

政府はようやく重い腰を上げ、地域社会や地方ラジオ局などで「行方不明者大人」の情報を流し始めたが、対策はまだまだ始まったばかり、という感じだ。

急速なスピードで高齢化が進んでいる現在の日本、65歳以上の高齢者のなんと25%が、「認知症」だと症例が出されている。迷い大人対策を政府最大課題として急いでほしい。

誰にとっても、老いは、人事ではないのだ。

佐藤 庸子

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カテゴリー: ドイツと日本の違い, 老後, 医療と健康

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