無戸籍の子どもたちー日本の結婚事情

日本では今、無戸籍の子どもたちが年間500人の割合で増えている。これは役所に行って戸籍の受理を蹴られている数だから実際には、申し出のないものも含めて相当な数となる。

何故なのか?それは日本の婚姻制度と大きく関係している。毎年5万件というDV被害者がいる。被害者である妻がそこから逃れ、夫に現住所を教えない、そして新しい男性と結婚生活を始め子どもが生まれる。たとえ、この新しい夫が役所に行って「自分の子どもとして戸籍を受理してほしい」と言っても前夫との離婚が成立してない間は戸籍は作れない。離婚を成立させようとすれば、前の夫に自分の住所を知られて同じような被害に遭う可能性が高くなる。こういう状況が子どもの戸籍を宙に浮かせてしまう。

こんな透明人間状態のまま、32年間生きてきた女性が法的措置を訴えて立ち上がった。

彼女はやはりDV被害から逃れた母親と新しい男性の間の子どもで、出生届けすら出されていない。今、カラオケやレンタルショップに行っても会員カードを作るには、保険証や運転免許が必要だ。彼女にはそれがない。

ホテルのメイドとして働いているが、その給与の振込み先は親戚の女性の名前と名義で振り込まれている。ホテルでの名前もその「他人の名」で呼ばれている。大変働き者で、ホテルも「正社員にならないか」と言ってくれているのに、彼女には身分を証明する物が何ひとつないためその申し出を断ってきた。

ホテル側は「せっかく言っているのに、やる気ないのか」と言ったという。なんというむごいことだろう。一人暮らしをしているが、アパートも借りられず、友人宅に間借り状態。

彼女は10代の頃、日本料理店で働いていてやはりその手際の良さに、店長が調理師試験を薦めたというが、やはり戸籍がないと試験は受けられないため断念。そんな人生を送ってきた。

よく、日本ではヨーロッパのフランスやドイツなどの結婚制度、子どもの権利などが比較されるが、欧州と違い、こんなにも遅れているのは、日本の婚姻、戸籍制度が、明治にできた100年以上前の法律のまま、何も変わらずにきていることに依拠する。ようやく5年ほど前、こういう可哀想な子どもを増やさない為に、少し法律が動き始めたが、やはり旧態善然のまま進歩していない。

100年経ち、日本の家族制度は大きく変わった。離婚も再婚もどんどん増え、法律が現実にそぐわなくなってきた面が大きい。

ヨーロッパのほとんどの国が現実重視で、たとえ結婚してないペアの間の子どもであっても、結婚している間の子どもとなんら変わらない権利を享受できるというのに、この違いは余りにも大きい。

前述した32歳女性は、「もう私のような、無戸籍の為、保険証もなく、病院にも行けず虫歯があっても、歯医者にも行けない、そんな女性をこれ以上増やさないためにも」と、救済団体から弁護士を紹介してもらい、まずは自分の戸籍から作るために活動している。

実父はすでに死去していることが弁護士の調べから判明し、戸籍はこの父の承諾なしに進められそうで、どうやら少し前進できそうな前兆はある。しかしながら、法律はそうやすやすと動かない。ヨーロッパの核家族化、高齢化が100年以上かけてゆっくり進んできた道を日本は、わずか30年程度でばく進という感じで、進んできた。

そのため、家族に関する法整備がおざなりになっているように思う。500人もの無戸籍を増やし続けている国は、もはや文明国とすら言えないような気がする。 生まれてきた子にまったく罪はない。どうか政府には一刻も早い法整備を望みたい。無戸籍の女性がポツリと言った言葉が頭から離れない。

「普通に働いて生活したいだけなんです」

佐藤庸子

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