移動するこどもたち!

「移動するこども学」というのがあるのをご存じでしょうか。 多様化する日本語教育の世界から、「複数の言語環境で暮らす子どもたち」に視点をおき、彼らのことばの教育を重要視する中で生まれた専門研究領域です。

当地、デュッセルドルフを例にとってみましょう。 日本人学校、現地校、補習校に通う生徒はすべて「移動するこどもたち」です。

日本人学校ではいずれ日本に帰国し日本の教育機関で学ぶことを前提に「国語教育」がおこなわれています。そして補習校では、日本をルーツにもつ児童・生徒が母語としての日本語を忘れないための母語教育(継承語)を受けています。

ではドイツに住む日本人家庭や、両親のどちらかが日本人の家庭のお子さんは、このいずれかの教育機関に属しているでしょうか。 グループ分けはさらに複雑になります。日本で生まれ育ったドイツ人の子どもがドイツに帰国した場合、日本語がドイツ語よりできる場合もあります。このこどもたちのことばの教育はどう扱われるでしょうか。

従来外国人を対象におこなわれてきた「日本語教育」や日本人子弟を対象の「国語」ではカバーしきれません。 このように多様な環境の中で育つ子どもたちの言語教育はこれまであまり取り上げられることはありませんでした。それはあまりにもケースバイケースでカテゴリー化できなかったためです。 前述の「移動するこども学」は、グローバル化をたどる次世代に活躍する人材を育成することの重要性を鑑み、ことばの教育の在り方を問うものです。

ところで、わたしのように40年以上ドイツに在住する日本人は「移動した大人」ですが、どのカテゴリーに入るか、興味深いところです。いまだにドイツ語に苦戦を強いられながら、かと言って最近では日本語もあやふやになってきています。 日本ではヘンな日本人ですし、ドイツでは40年経っても外国人として暮らしています。私のアイデンティティーはどこにあるのかさまよう毎日です。 できれば「移動するこどもたち」だけでなく「移動した大人たち」のことばの問題も考えて欲しいなと思う今日この頃です。

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カテゴリー: 教育
移動するこどもたち!」への2件のコメント
  1. 菅野功 より:

    菅野です。おひさしぶりです。相変わらずのご活躍うらやましく思います。
    2011年にくも膜下で倒れてから商売も畳んでしまいました。

    • 磯 洋子 より:

      ブログにご注目いただきありがとうございます。
      また移動するこどもたちのコメント大変嬉しく読ませていただきました。
      この領域の中心的存在でいらっしゃる川上教授にはお世話になっており、
      いままで先生がだされた著書も直接ご紹介いただいたり、贈呈いただいています。
      また今年の2月には当地の日本人学校と共催で講演会も企画しておりましtが、
      先生が大変お忙しく延期を余儀なくされました。今年4月に研究室で
      お目にかかった折り、今年中に実現に向けご尽力くださる旨、おっしゃって
      くださいました。
      今後ともこのテーマに関心をもっていただければ大変嬉しく思います。(磯)

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