ウソのような本当のお話し - 我が家で見つけたお宝

先日何気なく普段は気にもとめないのに、あまり見ない引き出しを開けて、ふと中にある数十枚のゴルフのスコアカードを眺めてしまった。色々と記念になった時の物ばかりのカードたちだ。やっと90台をきった時、初めてのホールインワンの時の物,パープレイをした時の物,日本往復のチケットを取った時の物やその他いろいろ。

その中からふと一枚のスコアカードを手に取り出した。随分以前の話だが、そのカードが実は自分に取ってとても懐かしく大切なものだと思い出し、つい一人含み笑いをしてしまった。それはあの96年の夏、スコットランドのセントアンドリュースでもワールドカップの試合に土地の人達もテレビに釘ずけになっているような時だった。小生の弟と彼の仕事関係の人間と3人でオールドコースを廻る機会が出来て、2度目の挑戦に成る小生はラウンド前からとても気合いが入っていた.

ご存知の人も多いだろうが、コースに隣接している、オールドコースホテルには有名人や著名人もかなり宿泊している事が多い。そしてその朝の食事をとっていたところにふと気がつくと、見た事の有る人が横の席で朝食をとっているではないか。えっ、うそ、と思いながら、そしてその横で一緒に食事をしている人もどこかで何度か写真を見たことがある。自分たちに一瞥をくれて ”にこっ” としたその有名人にこちらも応えて、少しだけぎこちなく ”にこっ!” ミーハーと思われたくなく、何となく静かに食事を進めていた時に現れたのがなんと!”えーっ” あの人も一緒か!少し動揺してしまった。それでもがたがた騒がず、普通に普通に。

そんなこんなでその場を終わり、いよいよラウンド。夏の日差しが暖かく,風邪もそれほど強くなくそれでもスコットランドの風はやはり強い。小生の弟は僕が随分としつこく,ゴルファーなら一度はゴルフの聖地セントアンドリュウスを廻らなくては嘘だ。一度廻ればゴルフの人生観が変わるぞっ!などとうそぶいていたので,それにのせられてついて来たが,リンクスコースは初めてと言っていい彼にはあまりにも厳しい洗礼だったかもしれない。

最後までぶつぶつ言い通しだった。それも無理は無い。シングルプレーヤーの彼が100を切るのがやっとだったのだから。終わりのころは ”もう二度と来ないっ!” なんて言っていた。ハハハ、だ。おかげでうまい酒をごちそうになった。ラウンドもそろそろ終盤にかかり長いバーディパットを決めて16番をクリアした時に、後ろの組がインに入って何となく調子良く、ぽんぽんとついて来ているのに気がついていた。誰だろう?結構上手いプレーヤたちに違い無い… なんて思いながら17番の名物ホール。二打目をやはりバンカーに捕まってしまった(例の中島バンカーだ)。今でも覚えているが、そこで素晴らしいバンカーショット、ワンパットのパー,グリーン周りではふと気がつくと何人もの人達がそのプレーを見ていて、パットを沈めた瞬間に大きな拍手を頂いた,

セントアンドリュースではこれらの風景は普通で,普通の一般の人たちでも、ちょっとした良いプレイを見ても拍手で褒めてくれたりするのである。ラッキーだった。嬉しかった。そして18番もなんとかパーで切り抜けてオールドコース2度目の挑戦で70台!夢のようなラウンドだった。がっくり来ている実弟を横目に足早に歩いてオールドコースホテルの際のジガーイン(JIGGER INN) のパブへ直行!

はたまた、そこでまた例の有名人と出会った。あっそうかっ、この人達だったのか後ろの組は。ゴルフ好きだとは聞いていたけど… もうこうなったらミーハーであろうが何だって良い,”How was it ?  Michael ! How was the Game?” と名指しで聞いてしまった。そしたら返事がとても気さくで(親日家とは聞いていたけど)。”俺はだめだった,でもジャックは良かったよ。彼は良かった。”Jack was good! といって同じくバーの中へ消えて行った。

ジガーインの中では15人ぐらいのイギリス人たちがワールドカップをテレビで見ながらわいわいと話していた。奥のコーナーで我々3人がビールをパインで頼み,2杯目を飲み干した頃に用を足す為に奥のトイレに行ってそのドアを開いたら,そこにまた例のマイケル君が… そこへ続いて後ろから実弟が入って来た。まだぶすっとしながら今度は弟が彼に ”ゲームはどうだった?”と聞きだした、そこへ現れたのが,例のゴルフ気違いのもう一人の有名人!もう一度弟が,ゲームはどうだったの?… そうしたら、マイケルが、”お前たちこそどうだったんだ??”と…

そこへ弟は,”俺はだめだった、でも”兄貴は良かったぞ!70台だぞ!” と。そしたら例の人がものすごい形相で、もうそれはまるで映画そのもの… そして口を開いた ”いくつだったんだ? そこでもじもじしながら僕は結構自信を持って,片手を突き上げて開き、”5オーバー”。そしたらそのまるで映画から今飛び出して来たかの様な、そのものの顔が(本物の顔が) 僕の目の前まで来て,たった一言。”You Lost!” 何と4オーバー!

その時の声の響きは今でも耳に明確に残っている。頭の中でその声がぐるぐると回りだした見たいな感じだった。凄くドスの利いた,それでいて鮮明な,自信に満ちた太い声色だった。(お前の負け!。言っておくがこれらは全て男性用のトイレの中での会話で2、3分の出来事だったと思うが,自分には2、30分ぐらいたったのではないかと思うような時間だった。その光景を思い出すだけでも滑稽だが,後にも先にも多分僕が最初で最後だろうと思う。一般人が彼らに向かって,クソーッ悔しい,よし,負けたからビールをおごるよっ!って言ってしまった。そして,僕はスコアカードに持っていた鉛筆で彼らのサインをしてもらった。今そのカードを手に取って見ていても思い出して可笑しくなってしまう.

用を済ませてでて来た僕らに美味しそうにビールを掲げて,ごちそうさんのサイン。素晴らしい一瞬だった。マイケル君(マイケルダグラス)は,穏やかにニコニコして旨そうにビールを飲んでいたしその横で未だ勝ち誇った様にぐいっとビールを飲んでいるジャックがいる。あの半分、にらんだ様に少し上目ずかいで,眉毛を少し吊り上げて、ギラギラとした目で釘付けにし、一言” You Lost !” それはまさしく映画の中の狼男だし,シャイニングの時の顔そのものだった。ジャックニコルソン! 時期を同じくして彼の狼男をテレビで見たり,マイケルダグラスのブラックレインを見たところだったので特に ”恐ろしかった(?)のかもしれない。

 ******  素晴らしい思い出と,今も大事にしているお宝の話でした。******

ちなみにもう一人の一緒にいた年配の男性は、映画監督のシドニーポラックだった様に思う.それからほんのしばらくして3人ともヘリコプターで飛び去って行った。別れの時ももう一度僕たちにウインクをしてみせてくれた。素晴らしい思い出だ。

今思うと、たった一打でも勝っていて,彼らに『ビールをおごれっ!』という勇気があったかどうか。いやいや,やはり負けていて彼らに飲み物を振る舞った事の方がやっぱり嬉しい。そんなSt.Andrews にまたいつかいってみたいものだ。

 幻のゴルフ工房オーナー

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カテゴリー: ゴルフ

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